高分子残留応力の発生メカニズムとその可視化技術

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
会場 開催

本セミナーでは、高分子残留応力発生について基礎から解説し、そり・破壊の未然防止のヒント、残留応力の定量的評価手法を詳解いたします。

日時

中止

プログラム

第1部 高分子材料における残留応力発生メカニズム

(2020年4月2日 10:00〜14:45) (途中、お昼休憩含む)

 射出成形品はその成形過程の履歴 (流動・固化) により、高分子鎖が強く配向し、 このために離型後に変形が生ずる。これはプラスチックが有する粘弾性の特性が大きくかかわっている。ここではその挙動を可視化し、メカニズムを 明らかにするとともに、残留応力を定量化する実験的手法を紹介する。 また流動解析 (CAE解析) によるそり変形解析の精度低下要因とも関連づけて述べる。

  1. 初めに
    1. 射出成形に関する予備知識
  2. 残留応力とそり発生の要因
    1. 発生要因① (熱要因)
    2. 発生要因② (流動要因)
    3. そり解析精度低下要因
    4. 成形品の物性値分布の測定
  3. 残留応力計算演習
    1. 残留応力測定原理
    2. PBT平板の残留応力測定
    3. 残留応力に与える影響 (考察)
  4. 粘弾性挙動の基礎とその解釈
    1. 粘弾性挙動とは
    2. 粘弾性挙動の解釈法と利用方法
    3. 粘弾性に伴う特異現象
      • クリープ挙動
      • 緩和挙動
  5. 金型内可視化観察
    1. 可視化実験の原理
    2. 可視化画像の紹介
  6. 可視化観察からの知見
    1. 流速分布
    2. 分子配向と剪断力について
    3. 射出成形品に生ずる分子配向
  7. いろいろな可視化画像の紹介
  8. まとめ

第2部 応力発光材料を用いた応力ひずみ分布の可視化技術

- 見える化が拓く評価・設計・予測の革新 -

(2020年4月2日 15:00〜17:00)

 接着接合、繊維強化プラスチックなど高分子を構造材料に使用する機会が増えつつある。この場合、必要な“力 (ちから) ”が、必要な期間に得られるか、が全てであるが、我々は、“力 (ちから) ”が見えない世界に住んでいる。そのため、「過去の知見 (応力集中、破壊挙動) 」、「予測 (シミュレーション) 」、「設計」、「健全性 (本当は、見えない部分で、壊れていないか?) 」など、時に不安を抱く。そこで、独自に開発した応力発光技術を活用し、高分子材料にかかる「 “力 (ちから) の情報 (ここではひずみ) ”が見える世界」へのパラダイムシフトを照会する。これにより、皆が (例え専門家でなくとも) 専門家と同じ目線で接着接合部を見る (評価する) ことができ、設計と予測は信頼 (trust) と自信 (confidence) を得る。そのようなきっかけとなれば、幸いである。

  1. 応力発光技術とは
    1. 応力発光粒子について
    2. 応力発光センサについて
      1. 応力発光塗料
      2. 応力発光シートセンサ
      3. ひずみ分布の応力発光可視化のメカニズム
    3. 応力発光計測システムについて
    4. 応力発光のパターン・強度から応力の集中・分布・程度を読み取る
    5. 応力発光の強度分布が応力分布のシミュレーション結果との比較
  2. 応力発光材料を用いた応力分布の可視化とその応用
    1. CFRPのひずみ分布の応力発光可視化
      1. CFRPひずみ分布試験片の作製法
      2. CFRP接合部の破壊予測への応用
    2. 接着に関するひずみ分布の応力発光可視化
      1. 接着応力試験片の作製法
      2. 接着層の上端、下端、中央の領域での発光パターンの違い
      3. 非接着領域 (ウィークボンド、 キッシングボンド) 検出への応用
      4. 自動車構造部材の接合部分への応用
    3. 3Dプリンター成形品への応用
  3. その他、今後の可能性
    1. 構造接着に関する海外動向調査報告
    2. 今後の可能性、他

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
株式会社 技術情報協会の地図

受講料

複数名同時受講割引について

アカデミック割引

学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。