第1部 微粒子/ナノ粒子の「ぬれ性」を見極める
(2020年3月31日 9:50〜11:20)
ぬれ性は微粒子表面と溶媒/樹脂間の分子間力に支配されるから、その具体的な尺度である表面自由エネルギー、溶解度パラメータ (SP値、HSP値) および酸塩基度などに習熟する必要がある。これらパラメータを用いた「ぬれ性」の見極め方と最新の測定法について解説する。
- 表面自由エネルギーでぬれ性を見極める。
- 表面自由エネルギーと成分項、Young式、付着仕事と界面張力
- ぬれの形態とwetting envelopeによる溶媒/樹脂の選択
- ぬれ性の測定法
- 接触角法
- インバースガスクロマトグラフィー (IGC) 法
- 低磁場パルスNMR法
- 溶解度パラメータ (SP値、HSP値) でぬれ性を見極める。
- Hildebrand のSP値とHansenのSP値 (HSP値)
- 相互作用距離、Hansen球およびTeas線図と「てこの法則」
- 溶解度パラメータ (SP値、HSP値) の求め方
- 溶媒/高分子:原子団寄与法および溶解・膨潤法
- 微粒子表面
- 酸塩基度でぬれ性を見極める。
- 溶媒/樹脂および微粒子表面の酸塩基性の表し方
- 酸塩基相互作用パラメータによるぬれ性の評価
- 酸塩基度の測定法
- 等電点および電位差滴定法
- インバースガスクロマトグラフィー法
- 湿潤熱・吸着熱法および昇温脱離法
第2部 微粒子/ナノ粒子の「ぬれ性」をコントロールする
(2020年3月31日 11:30〜13:00)
「ぬれ性」をコントロールするには、微粒子表面状態や溶媒/樹脂の性質に応じた表面処理、すなわち親水化あるいは疎水化が欠かせない。粉体の化学的表面処理法について述べ、表面自由エネルギー、溶解度パラメータや酸塩基度などによるコントロールと応用事例について解説する。
- 微粒子の化学的表面特性と処理法の選択指針
- 界面活性剤のHLB値と表面処理
- 脂肪酸などの化学吸着法と自己組織化単分子膜
- カップリング剤や高分子による表面官能基置換法
- ぬれ性のコントロールと応用事例
- 表面自由エネルギーによるコントロールと活用事例
- 薄膜太陽電池
- カーボン導電性樹脂
- ポリマーブレンドとフィラー局在性など
- 溶解度パラメータ (SP値、HSP値) によるコントロールと活用事例
- レジンコンクリート
- PP
- フュームドシリカコンポジット
- 高熱伝導性樹脂など
- 酸塩基度によるコントロールと活用事例
- CNFコンポジット
- CB高濃度スラリー
- 顔料スラリー
- 導電性ペーストなど
第3部 界面活性剤の使用を中心とした粉体のぬれ性コンロトール
(2020年3月31日 13:40〜15:10)
- ぬれや分散の理解につながる知識
- 分散の三要素について
- 表面張力の考え方
- ぬれの考え方
- HLBの考え方
- 親水-親油性バランス、溶媒が水系か非水系かでHLBの値を使い分け
- 酸・塩基相互作用の考え方、使い方
- 界面活性剤のイオン性と使い分け
- 粉体のぬれ性 (初期分散性) と分散 (安定) 性
第4部 粉体の表面処理と「ぬれ性」のコントロール
(2020年3月31日 15:20〜16:20)
粉体表面の親水性・疎水性を調節するには粉体表面を表面処理することが有効である。表面処理にはコロナ、プラズマ、UVオゾンなどを照射して親水性を付与する物理的処理の他、表面化学修飾によって親水性や疎水性を付与する化学的処理がある。本セミナーではシリカ元来の性質を利用した超親水膜や、粉体へのシランカップリング剤やリン酸系修飾剤を用いた表面化学修飾について述べる。
- 親水性と疎水性
- 親水性、疎水性
- 親水性膜と親油性膜
- 撥水性 (撥水撥油、撥水親油)
- 超親水性膜
- シリカナノ粒子とそれを用いた超親水性膜
- ゾルゲル法 (アルコキシド法) の基礎
- シリカナノ粒子の合成方法例
- シリカナノ粒子の作製例
- シリカナノ粒子分散液の調製
- 表面シラノール基密度の測定
- 超親水性膜の作製
- 濡れ性コントロールのための表面化学修飾
- シランカップリング剤による表面化学修飾
- リン酸系修飾剤による表面化学修飾
- 粒子の表面自由エネルギー
第5部 TD-NMRによる粉体の「ぬれ性」評価に関して
~ウォッシュバーン法、沈降法との比較~
(2020年3月31日 16:30〜17:30)
身近なものの殆どが粒子分散体からなるが、微粒子分散体を設計する際に粉体の濡れ性の把握や評価は重要であると考える。 TD-NMRによる評価は迅速簡便かつ再現性も高い。TD-NMRによる評価法・評価例を中心にウォッシュバーン法や沈降法による評価ついても解説する。
- 一般的な評価法
- 接触角法
- ウォッシュバーン法
- 沈降法
- TD-NMRによる評価法
- 原理について
- 評価事例
- 原理の異なる評価法にて濡れ性を比較
複数名同時受講割引について
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