再生医療・遺伝子治療は、既存の医薬品では治療が困難な疾病や、治療法が確立されていない疾患に対する新たな治療法として、関心の高い技術であり、近年、積極的に研究開発が進められています。とくに、最近では、iPS細胞関連技術、三次元培養技術 (スフェロイド、オルガノイド) の開発が進展し、また、核酸医薬のDDS研究やゲノム編集技術も開発が推進される中、再生医療・遺伝子治療の実現の可能性が拡大しています。
このような再生医療・遺伝子治療について研究開発を推進するためには、知的財産戦略の構築が必要不可欠です。とくに、研究開発のそれぞれの段階に対応して、どのような特許を取得し、どのように活用するかについては、研究活動における重要な課題です。また、特許を有効に活用するためには、広くて強い特許を取得することが必要不可欠です。このような対策により、研究成果を事業に最大限に活かすことができます。
本講演では、このような視点から、特許庁審査官・審判官の経験に基づいて、再生医療・遺伝子治療に関する特許出願の最近の傾向を分析し、今後の課題と対応策について解説します。
再生医療・遺伝子治療の特許出願の現状を理解し、最適な知的財産戦略を構築できることがねらいです。具体的には、研究開発を視野に入れた特許戦略、広くて強い特許の取得方法を理解し、さらに、最新の登録事例を踏まえて、最適な明細書・クレームについて理解することがねらいです。
- 再生医療に関する特許出願の動向
- 再生医療の基本技術
- 多能性幹細胞
- 造血幹細胞
- 細胞分化制御
- 細胞改変など
- 再生医療の応用技術・支援技術
- スキャフォールド
- 細胞シート
- マイクロキャリア
- ナノ繊維など
- 3次元培養技術
- スフェロイド技術
- オルガノイド技術
- 細胞外マトリックス包埋技術など
- 遺伝子治療に関する特許の動向
- 核酸の構造改変・修飾技術
- アンチセンス
- siRNA
- miRNA
- アプタマー
- デコイ
- リボザイム
- CpGオリゴ
- ヘテロ核酸など
- 核酸医薬のベクターの設計・改良
- ウイルスベクター
- プラスミド
- バクテリアベクターなど
- 核酸医薬のDDS技術
- RNA – リガンド – 複合体
- 高分子材料によるDDS
- 中枢へのDDSなど
- ゲノム編集技術の改良・応用
- 研究開発を視野に入れた特許戦略
- 特許出願のタイミングと注意点
- 研究開発に必要な特許調査の注意点
- 研究開発戦略と特許戦略の一体化
- 広くて強い特許の取得方法
- 特許を受けるための要件
- 広くて強い特許の取得方法
- 特許審査への対応
- 再生医療・遺伝子治療に関する登録特許の最新事例
- 特許請求の範囲のポイント
- 明細書の開示の程度
- 新規性
- 諸外国の登録特許の事例との比較
- 事例を踏まえた最適な明細書・クレームの提案
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