コンパニオン診断薬の登場により、新薬との同時承認が原則化されたことにより、個別化医療の実現に向けた診断薬の重要性は急速に高まっている。また、DNAチップや次世代シークエンサーなどの最先端技術を用いたいわゆる次世代型の診断法の開発が進んでいるが、従来の診断薬とは違った新規性と複雑性のため、その信頼性評価が重要な課題となっている。特に最近では複数のがん遺伝子パネル検査が承認、保険適応され、がんゲノム医療が加速されることが期待されている。さらに、遺伝子診断の臨床応用に際しては、規制や倫理的課題を含めた様々な問題が蓄積しており、レギュラトリーサイエンスという視点からこれらの問題について解説するとともに、ゲノム医療の実現に向けた提言を行う。
- コンパニオン診断薬
- コンパニオン診断薬の定義
- 開発動向
- 国内外の規制動向
- ビジネスモデル
- コンパニオン診断薬の分類と同等性評価
- 最近のコンパニオン診断薬の承認事例
- グループ化コンパニオン診断薬
- 抗菌剤に対するコンパニオン診断の必要性
- 遺伝子検査と次世代シークエンサー
- 現状と課題
- 一般向けと医療向け
- 診断薬 (IVDか検査 (LDT) か医療機器か
- 次世代シークエンサーのもたらした変革
- ナノポア型シークエンサーを用いた診断の可能性
- 次世代シークエンサーを用いたがんパネル検査
- 開発と規制動向
- 最近の承認事例の比較
- マルチマーカー試験の複雑性
- 遺伝子プロファイリングという新しい診断概念
- コンパニオン診断薬としての利用
- 分析学的妥当性評価と標準品
- その先にあるエクソーム、ホールゲノム解析
- 次世代型診断薬とその評価手法
- 多様化する次世代型診断薬
- DNAチップを用いた診断
- リキッドバイオプシー
- AI診断とバイオインフォマティクス
- ビックデータの活用
- 個別化医療の実現に向けた課題
- 倫理
- 保険償還
- 医療経済学的考察
- 先制医療と診断薬
- 先制医療とは
- 予防診断の重要性
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