PIC/Sの無菌製剤の製造管理改訂版に関しては、2017年に12月20日にドラフト版が発行されてから、最終版がまだ出ていないが、2020年春には発行されるとされている。ドラフト版のメンバーの情報によると、ドラフト版の修正は大幅な修正は余りなく、基本的に90%以上が其の儘最終版に反映されるとのことである。
したがって、受託およびジェネリック生産を含む多くの製薬企業が適正な管理レベルについて、「PIC/S GMP Annex 1 Revision Draft:無菌医薬品製造に関する指針」を参考にして製造実践すべきと考えられる。確かに、それらの製薬企業は三局が提示している無菌製剤に対する規制要件に影響を与える傾向があるが、それらの指針に提示されている基準・手法をそのままあるいは類推し、リスクアセスメントに基づく無菌製剤への適用をすることが妥当であると考えられる。
このような背景を踏まえ、本講では、リスクに基づく製造環境の維持及び管理手法の構築と維持管理に関して、FDAの最新情報を含め多様な視点からその管理レベルに関して詳説する。
FDAのリスクと科学に基づく最新技術 (Emergent Technology) を加味した欧米の5G時代を意識した技術革新の意義と推進を掲げているPIC/S Annex 1改訂版指針は、新たな21世紀のGMPに対する視点を要求されている。本講演では、その留意点を詳説する。
- 無菌製剤管理の考え方とアラート・アクションレベルの設定の意義と局方との関係
- 医薬品の品質における微生物管理と環境管理の関連性
- 無菌医薬品に微生物の影響を及ぼす意味と範囲
- 無菌医薬品の製造と品質の管理
- 環境微生物の挙動と生命体の科学的視点からの医薬品製造管理の重要性
- 医薬品の製造管理における環境管理
- ICH Q9とQ10およびQ12と無菌医薬品の関係
- クリーンルームにおける清浄度のモニタリングの必要性とその範囲
- 製造環境の除染の重要性と菌管理の範囲
- 製薬用水の管理のポイント
- 査察において想定される重要項目
- EU GMPが求める無菌医薬品製造に対するバリデーションの重要事項
- FDAの求めるリスク管理とデータ管理のポイント
- 最新化技術利用の推進と当局の期待事項
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