将来の5G移動体無線・IoTシステムでは、搬送波の高周波 (準ミリ波・ミリ波) への移行とともに、空間多重通信、ビームフォーミング、MIMO、端末位置推定などの新しい無線技術の導入が検討されている。5G無線では、「高速度性」、「低遅延性」、「多数同時接続性」が要求されているが、特に、高速度性と多数端末同時接続性を実現するためには、無線技術と光技術との融合が鍵を握る。
この講義では、5G/IoTシステムへ向けた無線・光融合デバイスとそこに要求される材料性能について述べる。また、国際連携共同研究プロジェクトで実施した大規模サッカースタジアムでの5G無線通信実証実験についても紹介する。
- はじめに
- 5G移動体無線通信・IoT無線・センサネットワークの動向 ~マイクロ波からミリ波へ~
- ミリ波無線の特長 ~空間多重~
- 光・無線融合技術の重要性
- 光・無線融合技術の動向
- Radio-over-Fiber (RoF) 技術
- E/O変換・O/E変換技術
- 光を使った空間多重ミリ波無線
- RoFを用いた無線端末位置推定
- 端末位置推定の原理
- RoFとの融合
- 無線端末位置推定実証実験
- ミリ波アンテナ電極光変調器
- 平面アンテナと光変調器の融合
- アレイ化による高機能化
- 3次元電磁界シミュレーションによる設計
- 試作実験とギガビットデータ伝送
- ミリ波無線通信のフィールド実験
- 高密度環境下における5G無線の重要性
- 大規模サッカースタジアムでの5G無線実験
- 4K動画ダウンロードとMobile IP
- チャネルサウンディング
- まとめ