監査の現場で、「全体から〇〇件のサンプルを拾ってテストしたところすべて“シロ”だったが、だからといって全体がすべて“シロ”だとは言いきれないはずだ。全体に対しては数値的に何が言えるだろう?統計学の力を借りたい。」、「本当は全体のなかには“クロ”もある程度あるのではないか。たまたま“シロ”ばかりがサンプルに選ばれただけではないか?そもそもサンプルは何件とればよいのだろう?」といった疑問が話題になることがあります。 そのような場合、統計的サンプリング (属性サンプリング) が有効な解決策となります。 講義では、統計的サンプリングの考え方、2種類のサンプリングリスク、サンプリングリスクのコントロールとサンプル数の算定、サンプルテスト結果に基づく「全体」 (母集団) の評価などを取り扱います。 この分野では確率分布や仮説検定などの概念の習得が必須となりますが、これまであまり統計学に触れることのなかった方にとってもわかりやすく図解を多用して説明します。 また、エクセルを用いた演習により具体的に計算に取り組んでいただくことでブラックボックス化を回避し、実践的な理解を深めていただきます。 本セミナーで、サンプリングリスクをコントロールしつつ合理的なサンプル数を算定する手法や、サンプルテストの結果に基づき「全体」に対して数値的評価を与える手法 (属性サンプリング) を、講義とエクセル演習 (エクセル統計関数を用いたシート作成) を通じて基礎から学ぶことができます。
近年、企業のガバナンス改革が着実に遂行されています。その中で、内部監査部門の役割の重要性が大きなテーマとなっています。 金融庁は2019年6月、「金融機関の内部監査の高度化に向けた現状と課題」を公表しました。 金融機関が持続可能なビジネスモデルを構築することにより、業務の適切性や財務の健全性を確保し、金融システムの安定に寄与していくため、内部監査部門が経営目線を持ち企業価値を向上させるための実効的な内部監査態勢を確保することを強く求めています。しかし現実は、従前の「準拠性監査」に留まり、「リスクベース監査」、「経営監査」を実効的に実施できていない金融機関が少なくありません。 今回のセミナーでは、「リスクベース監査」を実施するための課題を整理し、その実践方法について詳細に解説を行います。さらに「経営監査」に向けて、金融機関のリスクアペタイトと整合を取った実践方法についてお示しいたします。