本セミナーでは、エアロゾルデポジション法の基礎から、製膜体の特性、用途展開、実用化の課題・事例、今後の展望などに関して、同技術を世界で初めて実用化・量産化された講師が、商品化の着眼点から実用化で苦労した点を含めて解説いたします。
セラミックコーティングは、高温・硬い・耐食性の観点から、無機材料を中心に航空宇宙・産業機器・自動車の金属表面に塗布され、金属表面を保護する役割で発展してきた。また、その応用される部材は、年々、大型化・複雑形状化とともに、低コスト化の市場性ニーズが高まりつつある。 このような中、セラミックコーティングのグローバル市場規模は、2013年には61億ドル、今後は年率7.5%の成長で2019年には94.1億ドル (1兆円) が予測されている。 一方で、これらを支えるセラミックコーティング技術は、物理蒸着 (PVD) 、化学蒸着 (CVD) 及び溶射技術に代表され、実用化されてきているのが現状である。 1997年に産総研で発見されたエアロゾルデポジション法は、基材上に数~数十μmと比較的厚いセラミック製膜体を熱を使うこともなく室温で作ることができることから、新しいセラミックコーティング技術として注目され、国内外でも研究開発が進められているが、なかなか商品化・実用化に至っていないのが現状である。しかし、本技術の特徴をうまく捉えることで、従来のコーティング技術では達成できなかった用途展開の可能性を十分秘めている。 そこで、本セミナーでは、本技術で商品化・実用化した我々の事例を交えながら、この技術の基礎と特徴、製膜性に及ぼす制御因子の関係、更には本技術の特徴を活かした新たな用途展開の可能性について述べ、今回は本技術を取り巻くパテント出願状況と、本技術の展望についても紹介する。
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