高分子溶液の相分離とゲル化のメカニズム

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本セミナーは、高分子溶液の相分離の基礎から解説し、ゲル化のメカニズムについて詳解いたします。

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プログラム

高分子溶液の相分離やゲル化は、合成、輸送、保存、加工などの過程で思いがけなく起こる予測困難な現象である。本講では高分子間および高分子 – 溶媒間の相互作用に注目して溶液の状態変化を調べることにより、高分子の溶解性やゲル化に関する分子論的な理解を試みる。これをもとに、相分離・ゲル化を積極的に用いた感熱性、相溶性、流動性、粘弾性などの制御による高機能高分子の実用可能性を探索する。

  1. 高分子溶液の特性
    1. 分子量と高分子性
    2. 高分子溶液の相転移概観
      • 相分離
      • ゲル化
      • 結晶化
      • ガラス転移
    3. 高分子量領域での極限則
      • 上限則とスケーリング則
    4. ランダムコイルとその拡がり
      • ガウス鎖
      • フローリ則
      • 膨潤鎖と凝縮鎖
    5. コイル – グロビュール転移、逆転移 (高温グロビュール) と感熱性
    6. 単一鎖 (特に感熱高分子鎖) の張力 – 伸長曲線
    7. 蒸気圧と浸透圧、第2ビリアル係数
    8. 重なり濃度と準濃厚溶液
      • 溶液のスケーリング理論
    9. 高分子溶液の粘弾性基礎
      • 極限粘度数
      • 剪断速度依存性
      • シニングとシックニング
      • 複素弾性率
    10. 散乱実験 (光、中性子) と構造因子
  2. 高分子溶液の相分離
    1. 高分子の溶解性を決める因子
    2. 相分離の基本タイプ
      • UCST
      • LCST
      • LOOP
    3. 相分離の分子論
      • フローリ理論
      • カイパラメータ
      • 溶解度パラメータ (SP値)
      • VLBW現象論
    4. 高分子非水 (有機溶媒) 溶液のUCST
    5. 高分子水溶液のLCST、圧力効果、イオン添加効果
    6. ランダム水和と協同水和
      • 感熱性
      • 鋭いC-G転移
      • 平らな曇点曲線
    7. 多成分高分子溶液
      • 三角相図の読み方
    8. 混合溶媒、選択吸着
      • 共良溶媒
      • 共貧溶媒
      • 臨界溶媒
  3. 高分子溶液のゲル化
    1. 化学架橋と物理架橋、両者の共存と変換
    2. ゲル化に導く分子間架橋
      • 水素結合
      • 疎水凝集
      • 配位結合
      • 微結晶化
      • ガラス化
      • クーロン力
    3. ゲル化点と架橋構造
      • 架橋多重度
      • 架橋長
      • 有効鎖
      • ネットワークの連結構造
    4. 相分離とゲル化の干渉 (3つの基本タイプ)
    5. 低温ゲル化と高温ゲル化
    6. 水素結合性高分子のゲル化
      • 水素結合超分子
      • 高分子ゲル化剤
      • バイオポリマーゲル
    7. 疎水化水溶性高分子のゲル化
      • 会合高分子
      • テレケリックポリマー
    8. 添加塩効果、溶媒混合効果、圧力効果
    9. イオン架橋ゲル化 (配位数効果)
    10. 2成分混合ゲルと最適ゲル化条件 (会合高分子 – 界面活性剤相互作用を含む)
    11. 剪断による高分子溶液のゲル化

会場

機械振興会館
105-0011 東京都 港区 芝公園3-5-8
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