第1部. ヒトの触知覚メカニズムと柔らかさ、硬さの感じ方、認知の仕方
(2020年3月17日 10:00〜12:00)
人の柔らかさや硬さの認知は、意外と複雑なメカニズムを持っています。本講演の前半では、人の柔らかさ認知に関連する物理や生理学の基礎から、あまり知られていない柔らかさ認知における動作や感覚の法則性などを紹介します。 後半では、人工的に柔らかさを提示する手法や、モデル化や遠隔伝送に関する技術、柔らかさの計測や制御の応用可能性と課題などに関して解説します。
- 物体の柔らかさ/硬さ
- 剛性
- ヤング率
- 密度
- 構造
- ヘルツの法則
- 人の体性感覚
- 触覚と自己受容覚
- 受容器の種類と特性
- 柔らかさの定量化・表現
- 計測方法
- 表現方法
- 人の柔らかさ認知動作
- 人の上肢動作
- 軌道制御
- インピーダンス
- 把持動作の法則性
- 柔らかさ認知のための把持動作
- 柔らかさ認知に寄与する感覚
- 柔らかさ認知に寄与する感覚
- 各感覚の寄与率
- 柔らかさ/硬さの提示
- 反力提示
- 触覚の提示
- 柔らかさの提示
- 柔らかさ/硬さの制御
- 柔らかさの疑似提示
- 柔らかさ感覚の改変
- 柔らかさ感覚の伝送
- 柔らかさ計測・制御の応用可能性
- 医療・福祉への応用可能性と課題 (計測・制御・伝送)
- 日常生活用品への応用可能性と課題 (計測・制御・伝送)
第2部. モノのやわらかさ、表面感触と高次感覚の定量評価
(2020年3月17日 12:45〜14:45)
「やわらか」、「ごつごつ」、「しっとり」、「さらさら」、「べとべと」・・・感覚的な言葉で表される言葉は、新感覚のものづくりのヒントになることも多い。このような感覚を作り出すのはどのような物理的特性であるのか、これらの言葉の背後にある物理的因子を明らかにすることが必要である。それぞれの触感を特徴づける物理モデルの構築方法について解説し、それを材料設計に生かした例について具体例を挙げて紹介する。
- 触感の物理現象とは?
- 五感における皮膚感覚の重要性と特異性
- 触感の物理モデルの考え方
- 物理モデルと材料の微構造との関係づけ
- 背後の物理現象を理解するための官能評価データの解析
- 物理現象を意識した触感の官能評価
- 官能評価の多変量解析とその解釈
- 多変量解析の落とし穴とその解決方法
- 機器測定と官能評価との関係づけ
- 触感の物理モデルに基づく材料設計
- 材料設計の具体例 (繊維製品や化粧品の実例を中心に)
- 触感設計の妥当性の評価
- 類似した感覚の見分け方
- 高次触感の解明と新触感の創出に向けて
第3部. ナノスケール触覚センサを用いた柔らかさの定量化
(2020年3月17日 15:00〜17:00)
本講座では、触覚センサ、触覚センシング技術の発展により実現が期待される「手触り感の計測技術」ならびに関連する触覚センシング技術を紹介します。これまで多くの技術者・研究者によって手触り感の計測が試みられて来ましたが、人間の指先に及ぶ能力をもった触覚センサが存在せず、今なお挑戦的開発が続けられています。ここでは柔軟な皮膚だけが知ることのできる「やわらかさ」に着目し、我々が開発した触覚センサ技術と触覚のモデリング手法について解説します。
- 触覚センシングと人間の触覚
- センシングとセンサの役割
- センサで人間の感情を測る
- 触覚センサとその現状
- 触覚センサの各種製造技術
- 触覚センサの現状と応用
- 「手触り感」定量化の難しさ
- ナノ触覚センサで手触り感を測る
- ナノ触覚センサとは何か
- ナノ触覚センサが持つ性能とポテンシャル
- 各種ナノ触覚センサの応用事例
- やわらかさのモデリングと計測結果
- 手触り感をスキャンする「手触り感スキャナー」の紹介
- JST – CRESTの成果展開
- 手触り感スキャナーによる実演動画
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、
1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
- 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
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アカデミック割引
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