本セミナーでは、積層セラミックコンデンサについて基礎から解説し、高信頼性を確保しつつ、更なる薄層・多層化を実現するための最新の開発状況と技術開発の方向性を解説いたします。
積層セラミックコンデンサ (MLCC) は小型電子機器に多用されている必須の電子部品であり、その生産量は全世界で年間3兆個にも達している。小型電子機器の多機能化及び高性能化、自動車の電動化や自動運転化、IoTの発展などに伴い、その需要は今後も急速に増加することが予想されている。 本セミナーではMLCCに関して、その電気的性質と用途だけでなく製造方法、材料技術、信頼性技術、誘電体現象論、最先端の開発状況等、幅広く技術トレンドを概説する。特にMLCCで最も重要な信頼性に関しては実践的な側面だけでなく科学的な側面からも構造設計と材料技術を解説する。汎用コンデンサだけでなく、車載用途のように厳しい信頼性が要求される用途でも高い信頼性の確保と共に小型化、薄層化多層化が着実に進められている。高信頼性を達成しつつ薄層化多層化をさらに進めるためには、プロセス技術と誘電体材料技術の更なる高度化が必要なだけでなく、周辺技術あるいは副資材の更なる高性能化も重要である。限界に近付きつつあると考えられてきた小型化、薄層化、多層化も、その歩を緩めることなく進められ、今後もしばらくは続くであろう。しかしながら、いずれにもどこかに限界が存在することだけは確かである。これらの物理的限界を打破するために、内部電極のNi、誘電体材料のBaTiO3に代わる新しい材料の出現が期待されてきた。 そこで本講演では、これらの小型化、薄層化多層化を支えるプロセス技術と材料技術を解説するだけでなく、今後のMLCCの技術開発の方向性についても考察を加える。
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