本セミナーでは、透明ディスプレイ、スマートウィンドウ、デジタルサイネージ、ウェアラブル等の応用が進むエレクトロクロミック材料について取り上げ、材料設計、カラー化、表示技術、デバイス化まで最新動向を詳解いたします。
(2020年2月28日 10:00〜11:30)
震災以降の電力使用量削減の方向性も含め,近年,省エネルギー技術に大きな関心が集まっている。エレクトロクロミズムと呼ばれる可逆的な電気化学発消色挙動は,省エネルギー性が期待されるエネルギーの出入りを制御できる調光窓や紙と電子媒体の長所を兼ね備えた表示素子 (カラー電子ペーパー) などに応用できる技術として近年その価値が再燃しつつある。電気化学 (電子移動・イオン伝導や材料) の「基礎」から調光窓などへの「応用」に至るまで解説する。
(2020年2月28日 12:10〜13:40)
新しいエレクトロクロミック材料であるメタロ超分子ポリマーとそれを用いた表示デバイスに関して、多色化に関する試みを含め、最新の研究成果を報告する。また、実用化に向けた現在の取り組み、及び今後の研究開発計画についても報告する予定。
(2020年2月28日 13:50〜15:20)
エレクトロクロミック材料に用いる導電性高分子は、共役系高分子に電子や正孔を化学的または電気化学的にドープすることにより、導電性高分子の電子状態の変化に伴う呈色反応を利用している。初期には単一モノマーからなる導電性高分子が開発されてきた。その後、多色化に向け、導電性高分子のエネルギー準位を制御する方法としてドナー – アクセプター法が検討され、多彩な導電性高分子が開発されている。本講座では、これらを通してこれまでのフルカラーに向けた取り組みを紹介する。
(2020年2月28日 15:30〜17:00)
ECデバイスは、一旦色を変えると続けて電圧をかけない限り色は保持できるため、エコな表示デバイスとして活用できる。価格表等の表示や広告などの表示には適している。多くの電子デバイスを構成する分子構造はポリマー構造のものが多く研究されており、それらは剛直で加工性等に欠ける。その点、流動性と秩序性を併せ持つ液晶は、均一な薄膜形成等の利点を持つ。また、これらは加熱冷却操作で再組織化できるため有利である。さらに液晶化合物の分子構造に電子アクセプター部位とドナー部位をそれぞれ持たせ、幅広い電位で多彩なエレクトロクロミック特性を示せたことは、我々の研究の特徴であり独創的な点である。この研究は多彩なエレクトロクロミズムの可能性を秘めた液晶材料の開発である。
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