エレクトロクロミック材料の開発動向と表示デバイスへの応用

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本セミナーでは、透明ディスプレイ、スマートウィンドウ、デジタルサイネージ、ウェアラブル等の応用が進むエレクトロクロミック材料について取り上げ、材料設計、カラー化、表示技術、デバイス化まで最新動向を詳解いたします。

日時

中止

プログラム

第1部 エレクトロクロミックディスプレイの表示メカニズムとその応用展開

(2020年2月28日 10:00〜11:30)

 震災以降の電力使用量削減の方向性も含め,近年,省エネルギー技術に大きな関心が集まっている。エレクトロクロミズムと呼ばれる可逆的な電気化学発消色挙動は,省エネルギー性が期待されるエネルギーの出入りを制御できる調光窓や紙と電子媒体の長所を兼ね備えた表示素子 (カラー電子ペーパー) などに応用できる技術として近年その価値が再燃しつつある。電気化学 (電子移動・イオン伝導や材料) の「基礎」から調光窓などへの「応用」に至るまで解説する。

  1. 省エネルギー型技術における電気化学
  2. 電極反応と表示素子
    1. 電極反応
    2. 電極反応を利用した表示素子
  3. エレクトロクロミズムの現況
    1. エレクトロクロミズムの特徴
    2. エレクトロクロミック材料と応用
  4. 有機エレクトロクロミック材料とカラー化
    1. 構成材料の検討
    2. 積層型カラー表示素子
  5. 金属エレクトロデポジション (電解析出) とプラズモン活用調光応用
    1. 電解析出ナノ構造を利用したミラーを含む多色発色
    2. 調光技術としての応用
  6. 反射/発光型デュアルモード表示
    1. 安価簡便技術な電気化学発光と交流駆動
    2. 電気化学デュアルモード表示素子
    3. フレキシブル電子ペーパーについて

第2部 メタロ超分子ポリマーのエレクトロクロミック特性とディスプレイへの応用

(2020年2月28日 12:10〜13:40)

 新しいエレクトロクロミック材料であるメタロ超分子ポリマーとそれを用いた表示デバイスに関して、多色化に関する試みを含め、最新の研究成果を報告する。また、実用化に向けた現在の取り組み、及び今後の研究開発計画についても報告する予定。

  1. メタロ超分子ポリマー
    1. 一次元ポリマー
    2. 二次元ポリマー
    3. 三次元ポリマー
  2. エレクトロクロミック特性
    1. 原理
    2. コントラスト・応答速度
    3. 着色効率
  3. 多色化
    1. 色の3原色
    2. 多色変化の原理
    3. デバイスにおける多色化
  4. デバイス化
    1. デバイス構造
    2. 繰り返し駆動耐久性
    3. 耐熱性
  5. 実用化に向けて
    1. 現状報告
    2. 今後の課題
    3. 将来展望

第3部 導電性高分子を用いたエレクトロクロミック素子の多色化

(2020年2月28日 13:50〜15:20)

 エレクトロクロミック材料に用いる導電性高分子は、共役系高分子に電子や正孔を化学的または電気化学的にドープすることにより、導電性高分子の電子状態の変化に伴う呈色反応を利用している。初期には単一モノマーからなる導電性高分子が開発されてきた。その後、多色化に向け、導電性高分子のエネルギー準位を制御する方法としてドナー – アクセプター法が検討され、多彩な導電性高分子が開発されている。本講座では、これらを通してこれまでのフルカラーに向けた取り組みを紹介する。

  1. 単一モノマーからなる導電性高分子
    1. ポリアニリン
    2. ポリ (3-ヘキシルチオフェン)
    3. ポリ (3,4-エチレンジオキシチオフェン) ほか
  2. ドナー – アクセプター (DA) 型導電性高分子
    1. DA交互共重合体
    2. D:A比の異なる共重合体
    3. フルカラーのためのDA型導電性高分子
  3. 還元発色と酸化発色のしくみ

第4部 液晶性エレクトロクロミック材料の開発とデバイスへの応用

(2020年2月28日 15:30〜17:00)

 ECデバイスは、一旦色を変えると続けて電圧をかけない限り色は保持できるため、エコな表示デバイスとして活用できる。価格表等の表示や広告などの表示には適している。多くの電子デバイスを構成する分子構造はポリマー構造のものが多く研究されており、それらは剛直で加工性等に欠ける。その点、流動性と秩序性を併せ持つ液晶は、均一な薄膜形成等の利点を持つ。また、これらは加熱冷却操作で再組織化できるため有利である。さらに液晶化合物の分子構造に電子アクセプター部位とドナー部位をそれぞれ持たせ、幅広い電位で多彩なエレクトロクロミック特性を示せたことは、我々の研究の特徴であり独創的な点である。この研究は多彩なエレクトロクロミズムの可能性を秘めた液晶材料の開発である。

  1. 液晶素子とエレクトロクロミック素子について
  2. 液晶材料の液晶構造と特性
  3. 液晶エレクトロクロミック材料の開発状況
  4. 液晶エレクトロクロミック材料の設計指針
  5. 液晶エレクトロクロミック材料の合成とその特性
  6. 液晶エレクトロクロミック素子の形成とその特性

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