第1部 シリコン系負極のナノ構造制御と特性向上
(2020年2月26日 10:00〜11:30)
これまでのシリコン負極の研究を体系的に整理するとともに、ナノ複合体を用いて新たに行われている試みを紹介する。高容量化を目指し行われてきたシリコン負極を用いたリチウムイオン電池の研究・開発を俯瞰し、現在のサイクル特性改善への取り組みについて紹介する。また、様々なナノ複合材料を用いたシリコン系負極創製のアイデア、特性および反応メカニズムについて解説する。
- シリコン負極の特徴
- ナノシリコン材料の種類
- シリコン負極の反応メカニズム
- シリコン系負極の役割
- シリコン系負極のサイクル特性向上
- ナノシリコン – 炭素複合体
- ナノシリコン – 金属複合体
- ナノポーラスシリコン
- 負極活物質の特性を向上させる材料
- まとめ
第2部 炭素との複合によるシリコン系負極のサイクル特性改善
(2020年2月26日 12:10〜13:40)
リチウムイオン電池は、小型・軽量化に優れた二次電池で、携帯電話やノートパソコンなど携帯機器の電源として利用されており、電気自動車やハイブリッドカーの電源としての実用化もなされようとしている。現在、リチウムイオン二次電池の負極材料には、総合的性能に優れた黒鉛系材料が主に用いられている。しかし、黒鉛の容量には限界 (理論容量:372mAhg – 1) があり、高い電流密度下での性能 (レート特性) はそれほど良くないなどの理由から、特に車載用電池の次世代型電極材料の開発が求められており、シリコンはその有望な材料のひとつである。
シリコン系負極の問題点である充放電サイクルに伴う容量劣化の改善のため、種々の検討が進められており、本講座では、これらの動向を概観し、そのうち表面修飾・改質技術による方法を中心に解説する。特に、気相成長 (chemical vapor deposition, CVD) 法によるリチウムイオン二次電池負極用炭素、シリコンへのカーボンおよびシリコンコーティングによる表面修飾について紹介する。
- リチウムイオン二次電池の基礎
- 原理、構造、特徴、電極材料、応用の概説
- 負極材料の種類、構造、合成と特性向上の検討項目
- 黒鉛
- 低結晶性炭素
- ナノカーボン
- シリコン
- チタン酸リチウム 他
活物質材料の改質・表面修飾技術概説
気相法 (CVD法、パルスCVD/CVI法)
- CVD法の種類とパルスCVD/CVI法
- CVD法を利用した負極用炭素、シリコンの合成の概説
気相法コーティングによる改質・表面修飾の研究例概説
シリコン負極材料へのコーティングについて
- シリコン微粒子、及びシリコン/黒鉛混合粉体へのカーボンコーティングと負極特性
- 難黒鉛化性炭素繊維へのシリコン、カーボンマルチコーティング
- 黒鉛粒子へのシリコンコーティングと負極特性
第3部 高容量シリコン系負極用ポリイミドバインダーの開発
(2020年2月26日 13:50〜15:20)
リチウムイオン電池の高容量化のため負極にシリコン系活物質を用いた開発が活発になっています。これに対応したバインダとして、当社で開発を進めてきた溶剤系および水系ポリイミドバインダについて、開発コンセプト、基本特性、試作した電池の特性について紹介します。
- ポリイミドとは
- ポリイミドの化学構造
- ポリイミドの位置づけ
- ポリイミドの用途例
- ポリイミドバンダーの開発
- リチウムイオン電池の構成とバインダーの役割
- シリコン系負極用バインダーの要求特性
- 溶剤系及び水系ポリイミドバインダーの開発コンセプト
- 開発したポリイミドバンダーの性状
- ポリイミドバインダーの基本特性
- 電解液耐性の評価
- 機械的強度の評価
- 集電箔との密着性の評価
- 電池の試作例と特性
- 黒鉛・シリコン系混合負極での電池特性
- シリコン系単体負極での電池特性
- 低温充放電特性
- 高温貯蔵特性
- 高率充放電特性
第4部 硫化物固体電解質へのシリコン系負極の適用
(2020年2月26日 15:30〜17:00)
有機電解液が越えられない電気化学還元の課題を乗り越えることが可能な無機固体電解質を利用した全固体リチウム電池へのSi負極適用について現状と展望を解説します。
- 全固体リチウム電池の現状
- 高イオン伝導性固体電解質
- 正極活物質の酸化物被覆
- 負極活物質
- Si負極
- 充放電時に起こる体積変化
- 体積変化が引き起こす容量低下の各種モード
- 全固体リチウム電池へのSi負極膜の適用
- 硫化物系固体電解質中での充放電試験
- アモルファスSi負極膜の適用
- Siをより多く含むアモルファスSiOx負極膜の適用
- ナノ多孔構造導入による高面容量化に向けた取り組み
- 市販Siナノ粒子を用いた電極による高面容量化に向けた取り組み
- 今後の展望
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、
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アカデミック割引
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