第1部
撹拌槽のスケールアップにおける失敗例、成功例に学ぶ
(2011年10月13日 10:30~13:00)
冷却晶析撹拌槽および懸濁重合撹拌槽のスケールアップにおける失敗例と成功例を紹介し、これらを踏まえてプロセス開発時におけるチェックポイントリストも紹介する。
事例 : 冷却晶析槽伝熱壁への付着および懸濁重合槽におけるポリマー粒径制御
- 冷却晶析の失敗例
- 冷却晶析操作の留意点
- ラボデータからのスケールアップ時に陥り易い事項
- 商業晶析槽の事前概念設計によるラボデータ採取方法
- 微小粒子発生時の対処方法
- 懸濁重合撹拌槽のスケールアップにおけるポリマー粒径制御の失敗例
- 重合処方と重合系の特徴
- 各重合槽の容量と幾何学的寸法
- スケールアップ因子の考え方
- 商業プラントでの試作結果
- トラブルシューティング事例
- 懸濁重合におけるポリマー粒径制御の成功例
- 製造方法
- 分散剤の選定と最適量
- 分散方式の選定
- 分散剤添加量とモノマー液滴安定性との関係
- 分散剤添加量とポリマー粒径状との関係
- 分散方式の決定
- モノマー液滴径とポリマー粒径の関係
- スケールアップ実績
- 懸濁重合プロセス開発におけるチェックポイントリスト例
第2部
スケールアップにおけるトラブル事例 ~失敗例とその解決方法~
(2011年10月13日 13:50~16:25)
ラボでの工業化検討の進め方について事例を踏まえて紹介する。特にスケールアップ検討時のトラブル事例から、それを解決するためのラボ検討の方策について紹介したい。
- 医薬品開発におけるプロセス研究の役割
- 創薬合成とプロセス合成の違い
- プロセス研究におけるラボ検討の進め方
- プロセス研究の実際例
(トラブル事例とその対処法について)
- これからのプロセス化学
- 質疑応答・名刺交換
第3部
バッチプロセスの危険性評価の手法及び対策
(2011年10月14日 10:30~13:00)
-NO2基、-N3基、-N=N-基等を有する化合物製造において、爆発性を伴う反応を使用しなければ成らないケースがある。
この安全化対策について、ニトロ酢酸エチルの例で説明し、危険回避技術を取得する。
- 過去の悲惨な爆発事故例
- プロセス事故例
- 旭化成ケミカルズの爆発性化合物を製造する設備及び技術紹介
- ニトロ酢酸エチルの安全性評価及び合成プロセス検討
- ニトロ酢酸エチル合成使用例と爆発事故例
- 化学プロセス安全性評価の基本的考え方
- 潜在エネルギー危険性評価の標準ステップと評価手段
- 計算による予測
- スクリーニング試験
- 標準試験
- 第5類危険物判定
- ニトロ酢酸エチルの具体的危険性評価例
- ニトロ酢酸エチルの安全化製造例
- 危険物出荷時の法的対応について
- 旭化成ケミカルズの安全評価システム具体例
- 新規高エネルギー物質合成反応装置 (感度不明物質の合成装置) 及び大型装置
- 爆発性化合物製造時の予防対策と拡大防止対策 (ハード対策)
- 火薬類製造技術の設備安全対策具体例
- ニトロベンゼン誘導体の選択的な再結晶方法の確立と危険評価及び設備対策
- 化学プロセス者に対する安全化対策指針
第4部
できない晶析はない ~滴下晶析法と30%晶析法でトラブル解決
(10月14日 13:50~16:25)
晶析のスケールアップトラブルの話をするが、晶析ではほとんどはスケールアップトラブルでなくラボトラブルである。スケールアップの際の予測能力がないのである。
トラブルの被害は東電の例を見るとよく分かる。膨大な被害、国家的騒動、トラブルは起こしていけないのである。40年の原発行政がトラブルの未然防止にまったく役に立たなかった、というよりほとんど行政をやってない。未然防止の思想が無かったと言っても良い。
化学のパイロットでもトラブルの規模は小さいが大きな損害である。晶析もトラブルが起きやすい操作だが、ほとんどの場合ただ下手なだけである。問題を持っているなら相談に乗る。
滴下晶析は結晶多形の出し分け、難濾過性改善、粒度分布などに実績があるし、30%晶析法は最近見つけた方法でいろいろ広く応用出来そうである。ただし、両方法とも経験がないと運用が難しいが、原理を掴めばいろいろ考えられるだろう。
うまくいかない晶析はないのである。それが私の結論である。
- スケールアップの本質
- 滴下晶析法
- 30%晶析法
- 質疑応答・名刺交換