レオロジー測定は、人間の触覚を定量的に評価するような手法である.物質の硬さ、柔らかさ、粘り、サラサラ感等は、物質を変形させた時、あるいは物質に力を加えたときの手応えとして感じるものであり、それらは弾性率や粘度といった物質量として表わされる.ただし、固体とも液体ともいえない物質 (溶融状態の高分子・スライム・ケチャップ・マヨネーズ・生クリーム・片栗粉等) については、弾性率や粘度は定数ではなく、時間に依存し、更には、刺激の周波数やその大きさ (振幅) にも依存する.このように刺激に対する応答が複雑な振る舞いをする物質は、弾性論、塑性論、流体力学の範疇で扱うことが困難であり、レオロジーはこうした物質一般を対象にする.
本セミナーでは、レオロジー測定の原理、測定される物理量の意味、特に高分子物質を中心とした粘弾性体の構造とレオロジーの関係、レオメーター使用上の注意点等を、具体例を挙げながら解説する.
第1部「レオロジーの基礎・レオメーターでわかること」
(2020年2月17日 10:00〜11:40, 12:30〜14:10)
- レオロジーとは
- レオメーターの基本
- 液体用・固体用レオメーター
- 応力と歪
- 弾性率・ヤング率・ポアソン比・粘度・コンプライアンス
- 粘性体・弾性体・粘弾性体
- 理想弾性体
- 理想粘性体
- 粘弾性体
- ビンガム塑性体
- 非ニュートン流体
- 粘弾性体について定義される物質パラメータ
- 緩和弾性率
- 複素弾性率
- 粘度成長関数
- 複素粘度
- Boltzmannの重畳原理による各粘弾性パラメータの関係付け
- 高分子の粘弾性
- 高分子の粘弾性スペクトル
- 粘弾性パラメータの分子量依存性
- 時間温度換算則
- からみ合いとは
- 非線形粘弾性挙動
- おわりに
第2部「粘弾性測定の基礎と実演」
(2020年2月17日 14:30〜16:30)
- 粘弾性体って?
- 粘度計と粘弾性測定装置の違い?
- 粘弾性測定の基礎
- 粘弾性測定装置の概要
- 回転測定と振動測定、その応用例
- 回転測定及び振動測定の実演
- 様々なサンプルを使用した測定実演
- ハンドクリームや食品サンプルなど
スケジュール
- 9:30~10:00 受付
- 10:00〜11:40 第1部・続き
- 11:40〜12:30 昼食休憩
- 12:30〜14:10 第1部・続き
- 14:10〜14:30 休憩
- 14:30〜16:30 第2部
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