本セミナーでは、太陽電池の基礎から解説し、エネルギー変換効率を決定する各種要因、各種材料系の特徴と課題、超低コスト化・超高効率化のための新技術について詳解いたします。
2011年3月に発生した東日本大震災による福島第一原発の事故以来、再生可能エネルギーの重要性が再認識され、さらに、再生可能エネルギー特別措置法の成立により、太陽光発電などの普及が加速されることは必至である。しかしながら、これらの再生可能エネルギーは発電コストが高く、真の普及にあたっての最大の課題は、発電コストをいかに抑えるかである。 有機薄膜太陽電池は、大型真空装置を必要としないroll-to-rollプロセスによる高速大量生産と、軽量・フレキシブルな太陽電池の実現の可能性から、発電コストの飛躍的な低減が期待できる。また、今年に入って10%を越える変換効率も報告され、ひときわ注目されるようになってきた。 本セミナーでは、シリコンをはじめ各種太陽電池の開発の歴史、発電原理の違いを概観することにより、有機薄膜太陽電池の特徴と意義を解説する。また、エネルギー変換効率を決定する各種要因の物理的意味と課題・改善策について述べ、低分子・高分子系などの各種材料系の特徴と課題について解説する。さらに、将来の超低コスト化につながる可能性が期待される自己組織化を用いた素子開発、超高効率化のための新技術の紹介を行う。