長い間、高分子製品開発の中心軸は強度・耐熱性・経済性の向上に置かれていました。それらの用途展開が飽和に近づいた現在、新たな方向性として “購入動機につながる製品外観の制御技術”に関心が集まりつつあります。民生品領域では関連技術の特許出願が目立ち始めて来ました。 本講座は「高分子製品の視覚的価値をコントロールする技術」という、シンプルではありますが、今まで取り上げられなかったテーマを設定しました。その具現化に必要な多岐に亘る技術と情報を骨格に据えて、プログラムを構成しました。 具体的には、ヒトの心理学と生理学、顔料の化学的な構造と発色の関係性、外観制御のための製造と配合技術などについて、広い分野の相互関連性を解説します。外観を自在に制御する技術を学び、新たな製品開発の一助となることを講義の目的としています。