第1部 ライトフィールド光学と3次元空間の表現
(2020年2月6日 10:15〜11:45)
ライトフィールド光学は、幾何光学的な手法とコンピューテーショナルフォトを組み合わせた光線空間の記録再生法である。回折は使用していないが、空間を平面上に記録再生する枠組みはホログラフに似た概念である。
空間分解能の記録効率がホログラムより高いので、空間の記録は昨今の“無駄”に高画素になった撮像素子で十分可能であるし、再生は、4K、8Kディスプレイを使用すれば足りる。現代のインフラで実現可能な空間再生手段である。そして、逆にさらなる高画素化を進めるディスプレイやカメラのソリューションになりうる。こうしたライトフィールド光学の概念と実際のアプリケーションについて述べる。
- ライトフィールド光学の概要とその応用について
- これまでの光学系と光線再生との相違
- 像を構成する光線群を記録、再生
- 空間の光線群の記録と再生
- 符号化されたデータの数値処理と空間上への展開表示
- ライトフィールド光学を利用した応用光学部材、ディスプレイ
- 高精細ディスプレイを用いた、3次元像が再生できる3Dディスプレイ
- 再帰性反射材を使用した、空中ディスプレイ
- 空中への立体表示
- 光学的な共役関係の制約を受けないディスプレイ
- ディスプレイ面と表示像の独立的な位置関係
- 薄いヘッドマウントディスプレイ
- 読書鏡 (老眼鏡) 不要なディスプレイ
第2部 再帰性反射による大型映像型空中ディスプレイの開発と特長、用途例
(2020年2月6日 12:45〜13:45)
未来の表示技術として期待される空中映像表示技術について、開発した試作機を紹介する。本開発に用いた再帰反射を用いた空中映像表示技術は、大画面の空中映像を比較的ローコストに実現できる。そこで我々は等身大の人ほどの大きさの空中映像を表示できる試作機を開発した。その中で直面した課題とその解決のための取り組みを説明しつつ、空中映像表示技術の展望について紹介する。
- 再帰反射を利用した空中映像表示技術
- 大型空中ディスプレイ開発
- 試作機開発の課題~反射像~
- 構造設計における反射像の不可視化
- 試作機開発の課題~空中像の画質~
- 空中映像の画質評価
- ゲートシステムによるシステム提案
- 空中映像の画質改善提案
- METoA Ginzaでの空中ディスプレイ展示
- 構造設計における課題
- サイネージとしての課題
- 展示の様子
- CEATEC2019での空中ディスプレイ展示
- コンセプトについて
- 天吊り型大型空中ディスプレイ
- 空中タッチ操作ディスプレイ
- 展時の様子
- まとめ
第3部 空中像光学系を用いた現実拡張
(2020年2月6日 14:00〜15:30)
- はじめに
- 研究領域の俯瞰
- 画像を光線の集合として捉える
- 要素技術から現実拡張へ
- VRにおける空中像の意義
- 接眼光学系
- ハンドヘルドディスプレイ
- 空中像提示
- プロジェクションマッピング
- 空中像の光学系
- 鏡による虚像
- レンズによる実像
- 実像鏡による実像
- 空中像光学系を用いた現実拡張
- Above by Behind
- MARIO
- OpaqueLusion
- MRsionCase
- On by Under
- LumisightTable
- HoVerTable
- On by Behind
- むすび
第4部 空中ディスプレイの感覚・知覚・心理と様々な技術
(2020年2月6日 15:45〜17:15)
現在、いろいろな空中ディスプレイが発表され、展示会の会場だけではなく鉄道駅など公共の空間にも度々見受けられるようになってきました。けれども長年 (50年近く) この分野を注目してきた者としては、正確な (部分的に間違った) 情報が流通し、また技術とコンテンツ作りにおける基本的な事柄が関係者に理解されず、効果を上げるのに不十分な状況が見られる場合もあります。
本講座は、正しい情報が少ない空中ディスプレイの分野において、詳細な情報を得ることができる貴重な機会です。
- 続々と現れる魅力的な空中ディスプレイの紹介
- 「画像/映像」が工学技術として成立する基本的な構成 (感覚・知覚・心理と技術要素)
- ヒトが「奥行き」を感じる要素と空中ディスプレイのかかわり
- 多種多様な空中 (像) 表示技術とそのポイント
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、
1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
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- 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
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アカデミック割引
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学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。