樹脂の混練分散分野では、新しい分散技術、新しい現象解析結果が目まぐるしく出現してくる。その最先端にあるものが、伸長流動分散とかShear Thickninng現象などであり、その背景は強度を上げるためのナノ分散化からの要求技術が主流である。
一方、樹脂に何を混ぜて高強度および特殊物性を確保するかの面からでは、グラフェン、セルロースナノファイバー (CNF) などが最先端にある材料である。それらの添加材料は一般に混ぜにくい特徴を持っているので、なおさら新しい分散技術との融合で技術開発されなければならない関連性を持っている。
本講座は、そうした現在に横たわる混練分散技術における問題点をできるだけ易しく詳しく解説するつもりである。
- 溶融樹脂中への無機フィラーの分散、最近の解析傾向
- 2粒子分割分散理論 (McKelvey) と転がり粒子破砕理論 (橋爪)
- 4段階分散モデル (Palmgren) と5段階分散モデル (橋爪)
- 分配分散には2つの形態がある。
- 前段の「送り込み分配分散」・・・せん断破砕分散に同居する。
- Blister Ring, Ring Segment, 絞り機構に関連する。T関数の応用
- 均一せん断性実現、および副次的に伸長流動分散効果
- 後段の「まき散らし分配分散」・・・・単独で作用する。
- Gear Elementなど (欧米の方式) とCTM, Static Mixer (日本の方式)
- 破砕分散、分配分散における品質向上現象の解析
- 凝集破壊に関する最近の解析 (被分散相に注目する)
- 凝集粒子の破壊力は、凝集次数と凝集粒子径の関数である (CBの解析)
- CB コンパウンドでは、CBコロイド溶液と同じで、
- Shear thinning→Shear thickening→Shear Thickeningとなる。
- 平行平板レオメータでの解析
- 分散向上過程の3領域の存在は材料間結合の差による。
- Shear Thicknning領域で大きく分散性が向上する。
- バウンドポリマー (ラバー) とナノ分散の関係
- 材料の機械強度が向上する現象解明
- コンパウンドの場合
- 限界粒子間距離が関与する。粒子径は直接関与しない (Wuの解析)
- 無機粒子上のSticky Hard 層の高分子が絡まる。粒子は接触しない。
- ポリマーアロイの場合
- Shear Thinning流体とShera Thickening流体
- 一定せん断速度に対応するせん断応力の発生
- 流動形態の変化は、無機粒子表面で高分子と電気的な結合状態が変化
- したがって、分散に最適なせん断分散速度が存在する。
- CB分散では顕著な特性、エラストマー、ゴムの混練でも発生する。
- 軸押出機を用いる伸長流動分散技術
- 伸長流動分散の原理
- 伸長流動と伸長流動分散
- Affin変形とNone – Affin変形
- Dr.Utrakiの先駆的開発とEFM (分散ダイ)
- Bagley効果 (流入効果) と伸長応力
- Layleighの不安定性とKelvin – Helmholzsの不安定性
- Capillary Number (キャピラリー数) の応用
- 紐切断の条件とCritical Capillary Number (臨界キャピラリ – 数)
- せん断流動切断と伸長流動切断の違い
- 伸長切断では2水準粒子径となる
- Grace Curveとせん断、伸長共存流動
- EFDMモデル機を用いた伸長流動分散実験結果
- Nylon 中に HDPEをナノ分散
- 非相溶性TPRどうしのナノ分散
- Bagley 効果 (伸長応力に比例する) と分散粒子径の一義的相関
- HDPE 中に HMWPE粒子をナノ分散
- 伸長流動分散装置
- ダイ方式 (EFM, EFDM)
- 1,2軸押出機エレメント方式 (Ring, Blister Ringなど)
- 押出機先細り空間方式 (Bane Extruderなど)
- グラフェン、CNFの最適分散方法とその応用
- グラフェンの分散特性
- 強度保持の分散と (電気、熱などの) 伝導性保持の分散 (percolation)
- 樹脂中へのGO, rGOの分散特性
- rGOの再凝集問題と機械強度
- 各種物質へのグラフェンの分散方法
- 各製品への応用例
- 金属強度が4~10倍向上する。
- 従来のCBに代わるタイヤ製造への応用
- グラフェン電池、浸透膜など
- CNFの分散特性
- 機械的分散法:製造コストとの競争
- CNFを応用したシシケバブ構造の創出
- 化学的分散法:樹脂中への分散方法の開発がポイント
- 伸長流動分散技術の応用
- 耐熱物性の改良
- フィラーの分散品質を予測する技術の実例
- 純理論の相似側では、スケールが異なると品質が同じにならない
- 分散品質予測技術
- 事前の品質予測が高精度で可能なら、相似側として使用できる。
- 品質方程式の作成方法
- 分散品質予測精度の確認 (ノイズ実験を消去して精度を上げる)
- 有効時間が意味するもの (T関数、真空混練技術など)
- 伸長流動分散では品質スケールアップ (同一品質を保つ) ができる。
- 伸長応力値のみの関数として品質水準が得られる
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