第1部 マテリアルインフォマティクスプラットフォームの開発
(2020年2月17日 10:00〜11:30)
ビッグデータとAIによりITの活用がますます重要視されていく中、消費電力の問題がクローズアップされています。低消費電力の技術を考える上で、生体のメカニズムをエレクトロニクスへ応用する方法が注目されています。人間の脳を模倣した超低消費電力デバイスの開発、バイオミミクリー (bio-mimicry:生物模倣) を応用した材料の開発など、バイオとエレクトロニクスの融合が重要となっています。
このような状況下において、新規材料開発が、益々重要となっており、マテリアルズ・インフォマティクス (MI) は、材料分野において最も注目を浴びている技術のひとつであり、材料開発の期間やコストの削減、革新的な素材の発見を実現する可能性を持っています。これを具現化するには、研究機関や企業等に長年蓄積されたデータを収集し、データから抽出した情報をどのように知識化していくかが鍵となり、AIをベースとして膨大な文献情報を読み込み、データを知識化する「コグニティブアプローチ」、構造や物性値を予測モデルから理論的に推定する「アナリティクスアプローチ」の2つの手法の開発を紹介します。
- ビッグデータと人工知能
- 構造データと非構造データ
- 第三次AIブームの要因
- ディープラーニング、ネットワークの進化、超高性能ハードウェア
- エッジコンピューティングの重要性
- データセンターの消費電力の問題
- センサーのインテリジェント化
- 半導体スケーリング則終焉後の新しい脳型デバイスの出現
- 脳を模倣したアーキテクチャー
- オンチップ学習デバイス (ニューロモーフィックデバイス)
- AIを使った新しい材料の発見
- 新規材料発掘への期待
- データアナリティクスを使用した逆問題
- AIを使った文献からの情報探索
- バイオミミクリーへの応用
第2部 分子シミュレーションとマテリアルズインフォマティクスを活用した材料設計
(2020年2月17日 12:10〜13:40)
マテリアルズインフォマティクスと分子シミュレーションを組み合わせることにより、材料設計を高効率化させる技術を,具体的な事例を紹介しながら解説します。
- 技術潮流
- マテリアルズインフォマティクスの概要
- マテリアルズインフォマティクスとは
- 設計の流れ
- 適用事例の概要 (1)
- 適用事例の概要 (2)
- 材料設計効率化の課題とアプローチ
- パラメータサーベイにおける課題
- 課題へのアプローチと分子シミュレーション
- マテリアルズインフォマティクスによる設計事例
- 樹脂との密着性を向上させる金属の設計
- はんだの破断伸びを向上させる添加元素の選定
- 薄膜配線の粒界断線を防止する添加元素の選定
- まとめ
- 有効性の確認
- 今後の展望
第3部 ポリマーの効率設計に向けたマテリアルズ・インフォマティクスの活用
(2020年2月17日 13:50〜15:20)
ポリマーへのマテリアルズインフォマティクス (MI) の活用事例として、ベイズ最適化による効率的なポリマー探索と、原料の構造・配合の最適化に向けた熱硬化性ポリマーの物性予測の研究を紹介する。
量子化学計算と機械学習との比較や、構築した予測モデルの適用限界についても言及する。
- マテリアルズインフォマティクス (MI) について
- 機械学習の概要
- 国内外におけるMIの動向
- 材料開発におけるMIの課題
- 活用事例1:熱可塑性ポリマーの効率的設計
- ポリマー設計における課題
- 機械学習と計算科学との比較
- ポリマー物性予測と適用限界
- ベイズ最適化による効率的なポリマー設計
- 活用事例2:熱硬化性ポリマーの物性予測
- 熱硬化性ポリマーとその実験データ活用における課題
- 機械学習による原料の自動分類
- 熱硬化性ポリマーの物性予測
- まとめ
第4部 計算科学・マテリアルズインフォマティクスの材料開発への適用
(2020年2月17日 15:30〜17:00)
機能性物質の技術開発には不確定要素が多く、多大な時間と工数がかかる。一方、一度開発に成功すると、その優位性はそう簡単に失われることはなく、長期間維持されることは利点でもある。我々は、カラー写真の開発に端を発し、これまでにさまざまな機能性材料を世の中に出して来たが、その開発には時代に即した計算科学が活用されている。特に我々の企業は、純粋な化学メーカーではないため、いわゆるケミストがそれほど多い訳でもない。それ故、まだ計算科学が市民権を得る前から、その効能に期待せざるを得なかったという背景もある。第4次産業革命と呼ばれる昨今においては、もはやその計算科学さえも時代遅れになりつつあり、むしろ理論から結果を導く演繹法的な手法よりも、結果から相関を導出する帰納的手法の方が合理的であり、開発期間も短縮されるとも言われるようになってきた。
本講演では、これまでに実用化した機能性物質の開発における計算科学の活用事例と、最近検討しているマテリアルズインフォマティクスを使った材料開発の事例について紹介し、さらにはインフォマティクスに不可欠となる独自の可視化技術に関しても述べさせて頂く。
- はじめに~技術開発スタイルの変化~
- 計算化学を活用した材料開発
- 現象解明とMD計算を使った機能性色素開発
- 仮説検証型開発にDFT計算を使った有機EL材料開発
- Society 5.0 に向けての挑戦
- 演繹法から帰納法へ
- AIを使った材料開発
- 法則性と相関性
- MI活用事例(1) 色素開発
- MI活用事例(2) 高強度複合材料開発
- MIの将来像・目指すべき姿
- サイエンスの目とデータサイエンスの目
- MIの高度利用に不可欠な可視化技術
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