~製造プロセス、電池特性に与える影響~
(2020年1月31日 10:00〜11:30)
(2020年1月31日 12:10〜13:40)
現行のリチウムイオン電池には、電極バインダーとして、ポリフッ化ビニリデン (PVdF) 系やスチレンブタジエンゴム (SBR) 系が用いられている。現状、黒鉛系負極では、水系のスチレンブタジエンゴム (SBR) 系が主流となったが、酸化物系正極においては、ブタジエンが酸化劣化しやすいため、専らポリフッ化ビニリデン (PVdF) 系のバインダーが用いられている。通常、PVdF系バインダーには、スラリー溶媒としてN – メチルピロリドン (NMP) が用いられている。最近、NMPが与える環境付加や人体への影響などを考慮して、環境負荷の小さい水系バインダーが開発されている。 本講演では、各種のバインダーを用いた正極および負極の開発動向と、これらの電極を用いた電池特性について紹介したい。
(2020年1月31日 13:50〜15:20)
我々はリチウムイオン二次電池用正負極活物質の合成研究開発を行っており、活物質の高容量化・長寿命化のためには電極を構成する素材の最適化が必要不可欠である。 そこで、本講座ではシリコン粉体をベースにした負極活物質と共に電極を構成するマトリクス素材としてバインダーの物理的・電気化学的特性制御に着目し、活物質の膨張収縮による合材層構造崩壊抑制などの諸効果を検証した。
- 基礎が解ると理由が分かる (混錬・塗工・乾燥・最新開発動向) -
(2020年1月31日 15:30〜17:00)
バインダーはリチウムイオン電池の中でわずかに数%を占めるだけの材料です。このわずか数%の材料が電池製造のカギを握っていると言っても過言ではありません。電池の性能は活物質、電解液、セパレータ等の主材料によって決まるのですが、これら主材料の性能を生かすも殺すもバインダーにかかっています。非常に重要な役割を果たすバインダーの特徴を基礎から理解し、選定の判断材料となる考え方を分かりやすく説明し、期待する電池性能を引き出す為の考え方を学ぶ事が出来ます。PVDF系バインダーの基礎から最新動向まで、幅広く学べる講座です。
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