ドライバーの生体情報計測と覚醒維持、感情推定技術

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プログラム

第1部 自動運転に向けたドライバモニタリング技術と覚醒度維持

(2020年1月24日 10:00〜11:30)

 身体に専用のセンサーを装着することなく、ウェアラブル端末の利用や、自動車シートに設置したセンサー、カメラで撮影した姿勢や動作情報から、ドライバーの生体状態を推定することを目指して、その基礎的研究として実施した、ドライバーの生体信号や姿勢変化から、自動車運転時の疲労、精神作業時の注意集中度合いの推定について紹介します。心拍に同期する振動刺激による覚醒度向上技術は、振動により心拍と呼吸の位相が同期し、肺での酸素交換効率が高まり、結果として酸素飽和度が上昇することで脳への酸素量が向上し、眠気を緩和するものです。自動運転となっても覚醒度維持は必要であり、快適に覚醒度を維持することを目指し、人の生理機能に適した、また、各個人に適合可能な新しい発想の技術です。

  1. はじめに
    1. 覚醒度向上手法の先行事例紹介
    2. 眠気検出技術の先行事例紹介
  2. 生体信号・姿勢変化による自動車運転動作時の生体状態推定
    1. 心拍変動時系列による生体状態推定
    2. 姿勢変化による疲労評価
    3. 座位時の座面圧変動による生体状態推定の検討
  3. 心拍同期振動刺激による覚醒度向上技術の概要
    1. 酸素飽和度上昇による覚醒度の向上
    2. 心拍呼吸位相同期と酸素飽和度との関連
    3. 心拍位相同期について
    4. 心拍同期音による呼吸統制時の心拍呼吸位相同期の誘発に関する基礎実験
    5. 自動車運転シミュレータによる運転動作時の心拍同期振動による覚醒度向上効果の評価実験

第2部 顔・表情の画像解析とドライバーの感情推定

(2020年1月24日 12:10〜13:40)

 我々の生活の中で自動車は、移動機能の他、居住機能や娯楽機能といった様々な機能を果たすようになってきている。そのような変化に対して、安全に移動するための技術に加えて、人に快適さや面白さ、あるいは写し鏡のように人自身の状態について教えてくれる技術の導入が期待されるようになってきている。本講演では、人の顔表情の画像解析がどのように行われるか、移動する自動車内という特殊な環境において人がどのように画像に撮影されるか、そして自動車ドライバーの表情がそのような特殊な画像環境においてどのように解析されるのか、それが感情との関連性の中でどのように利用され得るのかについて解説する。

  1. 顔研究の歴史と研究動向
    1. 顔の研究とは
    2. 顔の画像
      • カメラ画像
      • 断層画像
      • 赤外線画像
    3. 顔の情報
    4. 顔画像データベース
  2. 顔の表情解析
    1. FACS
    2. 表情の画像解析
    3. 顔画像への統計モデルの応用
    4. 応用事例集
  3. 自動車ドライバーの感情推定
    1. 自動車ドライバーの表情
    2. 自動車内の画像環境
    3. 感情と表情
    4. 自動車ドライバーの感情推定アルゴリズム

第3部 自動運転システムにおける過信・依存とシステム破綻時のドライバ状態

(2020年1月24日 13:50〜15:20)

 自動運転の実用化が検討されている状況ですが、解決しなければならない課題もまだ多く存在します。その中に、「自動運転に対する過信・依存」があります。確かに自動運転は便利ですが、例えばレベル3の実用化を考えるにあたっては、適切なドライバ状態下における権限移譲の必要性も考えなければなりません。しかし、システム主体の状況下において運転を継続した場合、適切なドライバ状態を常に維持できるでしょうか。このことを考える上で、自動運転に対する過信・依存が重要になってくると考えられます。  本講座では、講演者のこれまでの研究と、今後の取り組みを紹介すると共に、自動運転に対する過信・依存の研究の重要性について説明します。

  1. 自動運転のニーズ
    1. なぜ自動運転が注目されるようになったか?
    2. 自動運転のレベル
  2. 自動運転の利便性
  3. 自動運転の問題点
    1. 技術的側面
    2. 社会的側面
  4. 「過信」「依存」とは?
  5. 自動運転システムにおける過信・依存に関する研究紹介
    1. 視線挙動に基づく過信・依存可能性について
    2. システム破綻を想定したドライバ状態について
    3. 今後の取り組み
  6. まとめ

第4部 車載用無拘束生体情報計測技術とノイズ低減

(2020年1月24日 15:30〜17:00)

 車載用の生体情報センシングシステムを開発経緯と共に紹介します。特に、車載用生体計測では避けて通ることができない、加減速や走行振動に伴うアーチファクトノイズを低減する方法について解説します。また、生体情報計測用センサは、多くの種類が提案されていますが、それぞれに一長一短があり、特に低域周波数特性を確保できるセンサインターフェース回路を組み合わせることが重要です。現在、実用化されている時定数増幅技術などを、SPICEシミュレーション結果と共に紹介します。

  1. 生体情報と睡眠との関係
  2. 脈波・呼吸・体動信号と脳波計との相関
  3. 超高感度圧力センサによる生体情報計測
  4. 生体情報計測用センサインターフェース技術の開発
  5. 生体情報計測用半導体開発
  6. 車載用生体情報計測の課題 (アーチファクトノイズ、道路事情など)
  7. 車載用生体計測システムの開発と評価手法
  8. 生体情報計測技術と医療機器との境界
  9. 生体情報計測用センサのいろいろ
  10. 脈波計測から心電波形計測へ

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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