(2020年1月24日 10:00〜11:30)
身体に専用のセンサーを装着することなく、ウェアラブル端末の利用や、自動車シートに設置したセンサー、カメラで撮影した姿勢や動作情報から、ドライバーの生体状態を推定することを目指して、その基礎的研究として実施した、ドライバーの生体信号や姿勢変化から、自動車運転時の疲労、精神作業時の注意集中度合いの推定について紹介します。心拍に同期する振動刺激による覚醒度向上技術は、振動により心拍と呼吸の位相が同期し、肺での酸素交換効率が高まり、結果として酸素飽和度が上昇することで脳への酸素量が向上し、眠気を緩和するものです。自動運転となっても覚醒度維持は必要であり、快適に覚醒度を維持することを目指し、人の生理機能に適した、また、各個人に適合可能な新しい発想の技術です。
(2020年1月24日 12:10〜13:40)
我々の生活の中で自動車は、移動機能の他、居住機能や娯楽機能といった様々な機能を果たすようになってきている。そのような変化に対して、安全に移動するための技術に加えて、人に快適さや面白さ、あるいは写し鏡のように人自身の状態について教えてくれる技術の導入が期待されるようになってきている。本講演では、人の顔表情の画像解析がどのように行われるか、移動する自動車内という特殊な環境において人がどのように画像に撮影されるか、そして自動車ドライバーの表情がそのような特殊な画像環境においてどのように解析されるのか、それが感情との関連性の中でどのように利用され得るのかについて解説する。
(2020年1月24日 13:50〜15:20)
自動運転の実用化が検討されている状況ですが、解決しなければならない課題もまだ多く存在します。その中に、「自動運転に対する過信・依存」があります。確かに自動運転は便利ですが、例えばレベル3の実用化を考えるにあたっては、適切なドライバ状態下における権限移譲の必要性も考えなければなりません。しかし、システム主体の状況下において運転を継続した場合、適切なドライバ状態を常に維持できるでしょうか。このことを考える上で、自動運転に対する過信・依存が重要になってくると考えられます。 本講座では、講演者のこれまでの研究と、今後の取り組みを紹介すると共に、自動運転に対する過信・依存の研究の重要性について説明します。
(2020年1月24日 15:30〜17:00)
車載用の生体情報センシングシステムを開発経緯と共に紹介します。特に、車載用生体計測では避けて通ることができない、加減速や走行振動に伴うアーチファクトノイズを低減する方法について解説します。また、生体情報計測用センサは、多くの種類が提案されていますが、それぞれに一長一短があり、特に低域周波数特性を確保できるセンサインターフェース回路を組み合わせることが重要です。現在、実用化されている時定数増幅技術などを、SPICEシミュレーション結果と共に紹介します。
学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。