本セミナーでは、可変界磁モータ、インホイールモータ、超電動モータ、SRモータ、レアアースフリーモータなど各種車載モータの最新技術について詳解いたします。
EV/HEV用トラクションモータに求められる性能と新技術動向を解説する。新興国マーケットの拡大と中国の猛追によりモータ技術はより一層の性能向上と付加価値創造を求められている。 本講演ではトラクションモータとして要求される性能の概説を行い、要求性能を高効率で実現する新技術である可変界磁技術について最新の研究結果を述べる。また、高騰しているレアアースへの対策技術としてレアアースフリーなモータ、さらにインバータコスト低減のためのモータ・インバータインテグレーション技術についても述べる。
従来、電気自動車やハイブリッド自動車用の駆動モータはNdやDyといったレアアースを使用した永久磁石モータが中心であった。しかし、近年、レアアースの主要産出国である中国が輸出規制を行うなど、資源面での不安が浮上しており、レアアースを使用しないモータへの注目が高まっている。 レアアースフリーモータの一つであるSRモータは、トルクリプルが大きいなどの欠点があるが、自動車駆動用モータとして魅力的な性質を数多く有する。構造が単純、堅牢、低価格といった長所に加え、無負荷時の誘起電圧が無いという特徴は走行中常にモータが回転するインホイールモータに適する。 本セミナーでは、SRモータの基礎からインホイール電気自動車への応用について説明する。
本講演では、高温超電導回転機システムを電気駆動式自動車に適用する研究開発現状を紹介する。 対象とする超電導回転機は、我々が世界的に先導している高温超電導誘導同期モータであり、かご形誘導機と同様の基本構造を有しているものの、高効率同期回転や高トルク密度化他、飛躍的な高機能化を達成可能である。 そこで、まず高温超電導誘導同期モータの駆動原理と特長について説明する。 次に、同モータをミドルクラス以上の自動車に搭載する際の実現可能性やそのための技術開発課題を明確化する。 さらには、従来機と超電導機における回転機冷却の考え方の相違について整理するとともに、超電導機冷却用冷凍機の開発現状についても説明する。