日時
- 2020年1月31日 13時00分〜 2020年1月31日 16時30分
プログラム
現在ゲノム医療が実際に医療の現場に導入され、遺伝子関連検査の結果が確定診断や治療法の決定に利用されている。遺伝子関連検査は、個別の医療機関が院内で遺伝子検査を行う場合と、外注検査として検査センターが請け負っている場合がある。院内で検査を行っている場合は、検体の採取、核酸抽出と解析、結果の解釈について、それぞれの専門家が対応しているため、それぞれの段階で臨床現場に詳細な考察が返される。一方、「外注」で実施している場合は、「ブラックボックス」となっている検査の過程を経た結果とその解釈を受け取り利用している場面が多い。加えて次世代シークエンサー (NGS) の導入により、得られるデータは膨大となり、その得られるデータの中には、検査目的とする遺伝子情報のみでなく、別の疾患責任遺伝子 (異常) も見つかることがある。これら二次的所見をどのように扱うかについては現在議論が進んでいる。 本研修では以下のごとく遺伝子関連検査から得られた情報を、病態の考察を行う上で必要な分子生物学の要点を解説する。なお、NGSの理論および技術については他にお任せする。ここで、遺伝子関連検査の語はゲノムDNA塩基配列から発現したRNAやタンパクまでの解析を含む。
- 1. DNAの複製・転写からRNA、タンパクへの発現制御機構などの分子生物学
ゲノムに書かれているATCGの4文字による塩基配列は『情報』であり、その情報は発現してのみ機能を発揮することの理解から始まる。
遺伝子産物としての機能分子はRNAやタンパクであり、それらが正しいタイミングで発現することにより、健康な細胞が構成する組織が作られ、健康な組織が統合され健康な個体となる。
また、ゲノム情報は染色体が対であることからおおむね2セットある。このため話は複雑となり、野生型 (正常なもの) が一つあれば健康を保つ場合、変異型が一つあるだけで発症となるなどがある。DNAの一次配列が同一であっても発現を決めるエピジェネティック制御も明らかとなってきている。
- 2. 遺伝子関連検査の理解:遺伝子変異の型と疾患との関連
遺伝子関連検査の報告は、検査対象とした遺伝子の塩基配列、RNA発現の量、タンパク産物の量、加えてエピジェネティック情報もある。疾患責任遺伝子を議論するためには、対象の遺伝子産物が健康な状態ではどのような機能を果たすものなのかを理解したうえで、それが異常となった際の病原性を考察することが求められる。
特に腫瘍においては、TP53、RAS、EGFRなどの機能とその異常が細胞の腫瘍性変化に果たす機構を整理する。
- 3. 遺伝子異常を検出するための検体採取とNGS以前の遺伝子異常の検出法
遺伝子関連検査には検体の質の保証が大前提として求められる。核酸は検体の保存状態により変性し、解析が不能となる、あるいは不確実となることがある。
解析法については、1980年代から実施されてきたプローブ法 (サザンブロットハイブリダイゼーション、ノーザンブロットハイブリダイゼーション) とPCRとその応用 (シークエンシングを含む) について、その技術とその利点を見直す。現在でもこれら技術は臨床検査の第一線で活躍している。
- 遺伝子関連検査に必要な遺伝子の分子生物学
- 染色体とDNAの構造
- 遺伝子発現制御機構
- エピジェネティクス制御
- RNA interference RNA干渉
- ユビキチンプロテアソーム
- 遺伝子関連検査とは
- 生殖細胞系列
- 体細胞遺伝子検査
- 病原体核酸検査
- どの段階を検査するのか
- genomic DNA : germ lineなら遺伝性疾患、 腫瘍細胞
- mRNA: BCR-ABL chimera mRNAに代表されるように残存腫瘍の検出、治療効果判定
- 遺伝子産物:タンパク、機能性RNA
- エピジェネティック
- 遺伝子関連検査技術と報告
- プローブ法,
- PCRあるいはPCR以外の方法での遺伝子増幅法
- 染色体検査とFISH
- 変異の表記法. 核酸、タンパク、染色体
- 遺伝子関連検査材料とその問題点
- 検体
- 末梢血
- 骨髄血
- 髄液
- 尿
- 便
- 膵液
- 乳汁
- 腫瘍組織
- 問題点:正常細胞の混入は避けられない.
- 検体
- 疾患の責任遺伝子
- 悪性腫瘍
- 診断 治療に直結する情報
- BCR-ABL
- HER2
- PML – RARα
- EGFR, ALK
- 診断基準あるいは確定診断
- t (8,14) IGH – MYC
- リンパ性腫瘍ならば、IgやTCR geneの再構成確認
- Cancer proneかどうか、また遺伝性腫瘍
- 発生したtumor cell のcharacteristics
- 増殖速度、 組織侵入能、転移能、治療応答性
- 残存腫瘍、再発の検出・・・腫瘍細胞の存在
- 診断 治療に直結する情報
- 遺伝性疾患
- 責任遺伝子とその変異の型
- 欠落、点変異、リピート数異常など
- 悪性腫瘍
- 質疑応答・名刺交換
会場
受講料
- 1名様: 42,750円(税別) / 47,025円(税込)
- 複数名: 22,500円(税別) / 24,750円(税込)
免責事項
本研修では遺伝子関連検査から得られた情報を、病態の考察を行う上で必要な分子生物学の要点を解説いたします。
NGSの理論および技術については講演内容に含まれておりませんのでご確認ください。
複数名同時受講の割引特典について
- 2名様以上でお申込みの場合、
1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 47,020円(税込)
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- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
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