粉粒体へ酸化物やポリマーを液相で均一にコーティングさせるためには系における粉粒体の分散が最も重要な因子となります。
本講ではまず、粉粒体に関する基礎的な性質、取り扱い方法、各種測定方法を説明した後、液相においてコーティング処理に必要な種々の表面処理方法について概説します。そして、液相法を利用した機能性微粒子の調製例をいくつか紹介します。基礎から応用事例まで示すことにより、粉粒体へのコーティング・表面改質に関する知識がより深まることを期待しています。
- はじめに
- 粉粒体に関する基礎知識
- 粉体とは (固体でありながら固体でない)
- 大きさと分布
- 密度
- 表面電位
- 粉粒体間に働く付着力
- 粉粒体の力学的特性 (粉粒体の流動性)
- 粉粒体の分析方法
- 粒子径,粒度分布の測定
- 電子顕微鏡による分析
- XPS,IRによる表面分析
- 細孔構造解析,比表面積
- 濡れ性,接触角
- ゼータ電位測定
- 粉粒体の表面改質法
- 吸着の原理
- 液相における微粒子のDLVO理論
- 界面活性剤の吸着による表面改質
- 水溶性高分子の吸着による表面改質
- カップリング剤処理による表面改質
- 反応容器の形状による流体の混合特性
- 粉粒体への無機物またはポリマーコーティング技術
- 無機物コーティング法 (金属アルコキシド法)
- シリカ微粒子のシード粒子成長法
- 無機物コーティングによる機能性微粒子の調製
- ポリマーコーティング法とその応用例
- 粉砕法 (メカノケミカル法) による微粒化と表面改質
- おわりに (まとめと今後の展望)