本セミナーでは、電力貯蔵向けリチウムイオン電池、レドックスフロー電池、ハイブリッドキャパシタについて基礎から解説し、最新技術動向について詳解いたします。
低炭素、省エネなどのエコ活動そのものが経済発展につながる環境型経済社会を構築するためには、エネルギー貯蔵技術のさらなる進化が望まれる。 電池・キャパシタなどの蓄電デバイスは、スマートグリッド、エナジーハーベスティングなどの鍵を握る重要な技術として注目されている。 なかでも、次世代大容量キャパシタは、出力性能を維持したままエネルギー密度を3倍に高め、持続力と瞬発力を合わせ持つ新蓄電デバイスとして開発され、国際貢献できる大きなポテンシャルを示すまでに至っている。 高エネルギー・高出力を合わせ持ち実効性のある複合型エネルギーデバイスの構築は、必然的な方向性と言える。 正・負極のどちらか一方に、電荷移動反応 (ファラデー反応) を利用した電極を用いたハイブリッドキャパシタの開発が本格化している。 正極に活性炭、負極に黒鉛を用いたリチウムイオンキャパシタ (LIC) や、正極に活性炭、負極にチタン酸リチウムナノ結晶/炭素複合体で構成されるナノハイブリッドキャパシタ (NHC) を紹介する。
地球温暖化を背景に太陽光発電、風力発電などの自然エネルギーの導入が世界的なレベルで進みつつあり、さらに国内では電源不足から電力の節減、有効活用が強く求められている。 一方で、自然エネルギーを活用した電源が電力系統に大量に導入されると系統安定化の観点からの対策が必須であるとされており、蓄電池の導入に大きな期待がかけられている。 レドックスフロー電池は、比較的大規模な電力貯蔵に適した蓄電池の一種であり、世界中で開発が推進されている。 本セミナーでは、レドックスフロー電池の原理、開発の歴史、種々用途での適用事例、世界での開発動向について概説する。
今年3月の大震災とその後の原子力発電の災害を受けて、実用化が緊急の課題となった電力蓄電システムの動向を、そのポイントであるコストの問題を含めて解説したい。 系統電力の大規模蓄電はそのシステムが開発の途上にあり、多くの問題をクリアしないと実現し難いが、設備容量と蓄電容量のバランス設定が重要である。 時定数の問題など、理解し難い要点を実例を示して解説する。
蓄電デバイスとして最も汎用性の高いリチウムイオン電池 (セル) にポイントを絞って、最近の大型リチウムイオン電池 (セル) の開発状況と、系統連係蓄電への応用を解説する。 多くの部分でEVなど電動自動車のリチウムイオン電池 (セル) と共通するが、電池の実際の使われ方は自動車とは異なるので、寿命や安全性の問題も含めて広く解説したい。