わが国の医療保険制度においては、医療用医薬品の開発の出口は、製造販売承認を取得してから、薬価基準に収載されなければならない。そのためには、薬価制度を理解することが肝要であるが、単に細部のルールを読み解くだけでなく、その背景にある考え方をも理解する必要がある。新薬開発メーカーにとって、薬価の予見性の確保と薬価算定におけるイノベーションの適正な評価が永遠の課題である。2018年の薬価制度の抜本改革では、原価計算方式の見直し等で一定の進展をみた。
本セミナーでは、先ずはわが国薬価制度の現状について理解を深めるとともに、オーファンドラッグ開発の観点から、2020年度に向けた薬価制度改革の動向や医薬品医療機器等法 (薬機法) 改正と開発戦略とのかかわりについて、考えてみたい。
- はじめに
- 薬価制度について
- 新規収載品の薬価算定
- 類似薬効比較方式と原価計算方式
- 補正加算と外国価格調整
- 新薬創出等加算
- 年度薬価制度改革の要点
- 従前の原価算定方式の問題点
- 原価計算方式の見直し
- 新薬創出等加算の見直し
- 薬価制度の課題と改革の方向性 (論点整理)
- 薬価算定方式の正確性・妥当性の向上
- 新薬創出等加算の見直
- イノベーションの評価
- オーファンドラッグに関する薬事規制の動向
- わが国におけるオーファンドラッグ規制の課題
- オーファンドラッグ指定要件の見直し等
- 薬機法改正の方向性とオーファンドラッグ開発
- オーファンドラッグの事業性評価
- 事業性評価評価モデル
- オーファンドラッグにおける事業性評価と留意点
(対象患者数、薬価、製品浸透率、開発品の競合 等)
- リスク (不確実性事象) の取扱いと意思決定 (Go/NonGoの評価)
- まとめ
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