蒸留分離は、産業界では依然として分離操作の中心的な存在であるが、大学における研究は盛んとはいえず、知識の空洞化が懸念されている。世界的に省エネルギー化やGHGs排出削減が叫ばれるなか、蒸留操作が担う責任は極めて重い。
本講義では蒸留技術の基礎理論をおさらいし、実践的な設計やトラブルシューティング、省エネルギー技術について解説する。省エネルギープロセスについては、講師が開発、商業運転で実績もあり、多くの学協会賞を受賞した省エネ装置“SUPERHIDIC”についても他のヒートポンプ技術と比較しながら、実際の運転状況を紹介する。更に、プロセス系・用役系の全体を俯瞰し、数理最適化技術を用いて効果的に省エネ案を提示するサービスについても紹介する。
- 蒸留の基礎理論
- 蒸留が何故いまでも重要なのか
- 蒸留の原理~なぜ蒸留が広く利用されるのか~
- 蒸留塔の構造
- 蒸留プロセスの設計
- 塔内部品ハイドロリクス
- 塔内部品選定 ~トレイ or 充填物~
- 蒸留プロセスの図解法
- McCabe – Thiele法
- Ponchon – Savarit法
- 三角線図を用いた分離計画
- Residue Curve Map
- Distillation Boundary Diagram
- 蒸留分離計画
- 運転解析とトラブルシューティング
- 運転データと解析アプローチ
- 運転トラブルと対応例
- マランゴニーフォーム
- ロスフォーム
- 固形物析出
- 省エネルギー蒸留プロセス
- ペトリューク塔・Divided Wall Column
- 改良形ペトリューク塔
- 塔頂ガス再圧縮型蒸留塔
- SUPERHIDIC vs 従来型HiDiC (内部熱交換型蒸留塔)
- SUPERHIDIC vs 自己熱再生塔
~なぜ「SUPERHIDIC」の方が「自己熱再生塔」よりも優れているのか~
- 「SUPERHIDIC」の商業運転
- 数理最適化技術を応用した省エネルギー検討
- プロセス系・用役系を同時に最適化する意義
- プロセスにおけるモデリング例
- 用役系におけるモデリング例
- 検討結果例示
- 検討のながれ
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