本セミナーでは、マテリアルズ・インフォマティクスの有効なアプローチの一つであるスパースモデリングの基礎とその活用方法について解説いたします。
また、マテリアルズ・インフォマティクスにおけるスパースモデリングの応用事例を紹介し、ナノシートの高効率収集への応用や、その基礎技術の発展について解説いたします。
近年、人工知能 (AI) が新聞やメディアなどで多く報道され、その応用先は爆発的に広がりを見せている。特にこのAI技術を日本の基盤産業である素材産業においても適用するマテリアルズインフォマティクスは、研究機関だけでなく、民間企業においても注目を集めており、材料開発にAI革命が訪れようとしている[2019年2月17日、日経新聞日曜版]。 本講演では、マテリアルズインフォマティクスの有効なアプローチの一つであるスパースモデリングの基礎について講義する。スパースモデリングは、大量の高次元データから恣意性なしにそのデータの背後にある仮説 (モデル) を系統的に導くデータ解析を可能にし、2000年代より爆発的に応用が進んでいる統計学/機械学習の枠組みである。本講演では、マテリアルズインフォマティクスにおけるスパースモデリングの応用事例を紹介し、先の日経新聞等でも報道されたナノシートの高効率収集やリチウムイオン電池の開発への応用などを実例に述べる。また、スパースモデリングを用いることで、ブラックホールの直接撮像などの画像処理技術への応用が進んでいる。本講演では、この基礎技術を用いることで、物質科学への計測データに対するインフォマティクスの応用 (計測インフォマティクス) と、新たなマテリアルズインフォマティクスへの展開を紹介する。
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