バイオ医薬品に残存する宿主細胞由来タンパク質 (Host Cell Protein, HCP) は稀ではあるがバイオ医薬品の品質、有効性及び安全性に望ましくない影響を及ぼすことがある。本講座では、HCP測定の概要及び適格性等評価における留意点についてFDA及びEMAにより問題となった例を含めて解説すると共にHCPがバイオ医薬品の品質、有効性及び安全性に影響を及ぼした例についてその原因及び改善策を含めて解説し考察を行う。
- HCP測定の概要及び事例紹介と留意点に関する考察
- HCPを測定する必要性
- HCPの主な測定方法
- HCPの許容レベル
- ELISAを用いたHCP測定法の種類
- ELISAを用いたHCP測定法の開発
- ELISAを用いたHCP測定法の適格性評価
- HCPのリスクアセスメント
- 製造工程の上流の違いがHCPの不均一性に及ぼす影響の検討
- 使用しているHCP測定法の適格性がEMAにより問題となったケース
- HCPを通常の試験かあるいはバリデーションのどちらで評価するかがEMAにより問題となったケース
- FDAによるHCPのリスクアセスメントのケース
- まとめ
- 留意点に関する考察
- 原因及び改善策を含めたHCPがバイオ医薬品の品質、有効性及び安全性に及ぼす影響の事例紹介と留意点に関する考察
- HCPの抗体産生およびアジュバント効果が問題となったケース
- HCPのプロテアーゼ活性が問題となったケース
- HCPのポリソルベート20及び80の分解活性が問題となったケース
- HCPのサイトカイン活性が問題となったケース
- HCPの自然免疫活性化が問題となったケース
- まとめ
- 留意点に関する考察