DCF法による企業価値評価における重要な変数の一つに割引率があります。 割引率の算定方法は、ファイナンス理論によって体系化されているものの、そのままでは実務に適用できない部分も散見されます。 その結果、公式の背後にある前提条件の理解を欠いた機械的な適用、モデルの「修正」と称する根拠の乏しいプレミアムの加算といった、不合理な実務も散見されるのが現状です。 本講義では、講師が直面した割引率の算定に関する実践的な論点を交えつつ、モデルの背後にある現代ポートフォリオ理論、Modigliani – Millerの理論を始めとするファイナンス理論の考え方が、実務においてどのように応用されているかについての解説を行います。 その上で、実際のデータを用いた演習の時間を設け、受講者の皆様が割引率をご自身で算出できるようにしていただくことを目標とします。