若年者と高齢者の運転特性、危険認知・反応にはどのような違いがあるのか。
本セミナーでは、高齢ドライバーの特性に対応する、運転支援システムの設計方法を解説いたします。
(2020年1月17日 10:00〜11:30)
我が国における高齢者が関わる交通事故は増加の傾向にあり、今後さらに顕著となる高齢化を見据えた安全・安心な交通社会の構築は喫緊の課題である。現在の自動車はドライバによる操作が必須のため、ドライバの認知・判断・操作の誤りが危険に直結する。したがって、ドライバの諸特性をどのように評価して理解するのかという点がドライバを含めたシステムとしての自動車を考える上で極めて重要となる。実験心理学は、従来から人間や動物の知覚・認知など外界から取り入れる情報処理に関するメカニズムを明らかにすることに焦点をあててきた。さらに、近年では実験心理学的手法によるアプローチをより実際的な側面に適用する動きが拡大されている。 本セミナーでは、自動車の運転に関わる人の認知特性について、実験心理学・認知心理学的な手法を用いて検討した知見について概観していく。
(2020年1月17日 12:20〜13:50)
2017年の道路交通法改正 (警察庁、2017) では、高齢運転者への対策として免許更新時の認知機能検査で「認知症のおそれあり」と判定された場合、違反行為の有無に関わらず医師による診断書作成が必要となった。しかし、医療機関で高齢者の運転可否を判断する基準は整備されておらず、実際には運転の可否を判断することは難しいとされている。自動車運転認知行動評価装置は、あらかじめ撮影された運転映像をモニターに提示し、被検者に映像の動きに合わせて模擬運転操作を行わせ、ハンドル、アクセル、ブレーキの操作反応と、手掌部発汗反応 (Palmar Sweating Response:PSR) 、皮膚電位反射 (Skin Potential Reflex:SPR) を測定するもので、被験者の危険認知 (Hazard Perception) 、危険予測 (Hazard Prediction) 機能を評価することができる。本装置を用いた模擬運転テストの実装により、高齢ドライバーの運転事故防止に貢献できる可能性がある。
(2020年1月17日 14:00〜17:00)
高齢ドライバ人口の増加に伴う交通事故の削減向けて、認知・視覚・身体機能などの人間特性や、運転行動 (自家用車、試験車、ドライビングシミュレータ) の実データ300人2000項目から構成される高齢ドライバデータベース「Dahlia」の構築,分析し、運転支援システムの企画・開発を行っています。これらの取り組み内容ご紹介することで、新たなシステムやサービス開発にお役に立てれば幸いです。