触覚フィードバック技術の知覚メカニズム、開発事例と今後の展望

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本セミナーでは、触覚フィードバック技術について基礎から解説し、ディスプレイ、スマートフォン、車載コックピット、医療機器に向けた開発事例について詳解いたします。

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プログラム

第1部 触覚提示デバイスのための触知覚メカニズム (粗さ・硬軟・摩擦・温冷)

(2020年1月9日 10:00〜11:30)

 粗さ・硬軟・摩擦・温冷の知覚メカニズムについて、接触の機械力学・心理物理学・神経生理学の観点から基礎を解説いたします。特定の素材や製品についてではなく、万事に応用可能な事項についてお話します。

  1. 素材知覚の5次元
  2. 種類の粗さ知覚
  3. マクロな粗さの知覚原理
  4. ミクロな粗さの知覚原理
  5. 摩擦知覚の原理
  6. 表面粗さと摩擦の関係
  7. 硬軟の知覚原理
  8. 温冷の知覚原理

第2部 微小振動パターンによる触覚フィードバック技術とディスプレイへの適用

(2020年1月9日 12:30〜14:00)

 人間は外界からの情報を得るために、視覚、聴覚、触覚といった五感を有効に活用しています。しかしながら現在、計算機によって再現、提示が可能なものは、視覚と聴覚に限られています。我々は、形状記憶合金の微細ワイヤをアレイ状に配置した触覚提示ディスプレイの研究を進めています。各素子の微小振動パターンを利用して、触覚の幻覚であるファントムセンセーションや仮現運動を生起させることにより、様々な触感覚の提示が可能となります。また本形状記憶合金ワイヤは、微小変位や振動のセンサとしても利用でき、触覚のセンシングとディスプレイが同時に可能という利点があります。  本講演では、ディスプレイの構成から様々な触覚感覚の提示と評価、更に触覚提示技術の将来展望を紹介します。

  1. 人の皮膚感覚と触感提示について
  2. 触覚の高次知覚
    1. ファントムセンセーション、仮現運動、Cutaneous Rabbit Illusion
    2. 身体部位による感度特性
  3. 微小振動子アレイを用いた触感提示技術
    1. 形状記憶合金ワイヤによる微小振動の生成
    2. 形状記憶合金ワイヤの振動特性
    3. 微小振動子アレイを用いた触感提示
    4. 触覚フィードバックのための触覚センシング
    5. 高次知覚を利用した触感提示技術
    6. 形状記憶合金ワイヤを用いた触覚センシング
  4. 触覚ディスプレイの構成と触感フィードバックへの応用
    1. アクチュエータアレイのパルス発生確率密度制御による触感覚の提示
    2. 実素材との比較実験とディスプレイの評価
    3. 無線給電によるアクチュエータ駆動
    4. 各種触覚ディスプレイへの適用
  5. 触覚ディスプレイの将来展望とまとめ

第3部 ウェアラブルな触覚、温冷感の提示システムの開発

(2020年1月9日 14:10〜15:10)

 バーチャルリアリティ (Virtual Reality、VR) 技術をなど、さまざまな分野で触覚技術が重要視されている。五感の中でも触覚は全身に存在する特殊な感覚であり、メカニズムの解明と提示技術のどちらの研究も行われている。そのため、さまざまな触覚提示技術を研究・開発を同時に行うことが重要である。  本講義では、身体のさまざまな部位に装着するウェアラブルな触覚提示システムを説明する。また、ラピッドプロトタイピングによる試作機開発を紹介する。

  1. 現状のウェアラブルデバイスについて
    1. 頭部搭載型ディスプレイ
    2. イヤホン・ヘッドフォン
    3. コントローラー
  2. 触覚インターフェース
    1. 指先における触覚提示
    2. 全身における触覚提示
  3. プロトタイピングツール
  4. ウェアラブルな触覚提示システム
    1. 触覚拡張システム
    2. 温冷覚提示システム
    3. 複数触覚提示システム
  5. ウェアラブルな触覚提示システムの展望

第4部 空中触覚フィードバック技術と視覚との協調、作用空間の拡大

(2020年1月9日 15:20〜17:20)

 超音波を用いて何も身に着けていない皮膚に触覚を提示する空中ハプティクスの技術は、様々な分野で注目され始めている。本講座では、空中ハプティクスの原理から技術の現状、応用可能な分野と現時点での課題までを解説する。

  1. ハプティクスへの期待
  2. 人間の触覚の構造と特性
    1. 皮膚の構造と知覚される情報
    2. 身体的体験を構成する知覚の要素
    3. 皮膚刺激がつくり出す体験
  3. 空中ハプティクス
    1. 空中ハプティクスと従来の触覚インタフェースの違い
    2. 放射圧による触覚の提示
    3. 進行波による触覚刺激の生成と活用
    4. 音響流の発生と対策
  4. インタラクションシステム
    1. 視覚情報との同時提示
    2. 3次元触覚像の生成と制御
    3. 身体運動とハプティクス
  5. ハプティクスの将来展望
    • サイエンスとしてのハプティクスの展望と応用の可能性

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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