本セミナーでは、ハラールをめぐる認証制度の概要とともに、認証だけでないハラールやハラール解釈の多様性について総合的に解説いたします。
配慮不足にも過剰防衛にも陥らず、対象となる市場を定めて、そのニーズに合った商品やサービスを開発するための知識とノウハウについて、基礎から解説いたします。
訪日外国人が3000万人を超え、さらに東京オリンピックや大阪万博など多数の訪日外国人観光客を惹きつけるイベントを間近に控えている今、日本の飲食産業や観光業などインバウンドビジネス業界にとっては、多種多様な食の禁忌と嗜好をもつ人々に対応することが喫緊の課題となっている。特に、マレーシア・インドネシアなど東南アジア諸国からの訪日・在日ムスリムの姿はもはや日本全国どこへ行っても珍しいものではない。 ハラール食、つまり、イスラーム法に照らして合法的で許された飲食品は、本来、調理に特別な技術や儀礼が必要なわけでもなく、それほど難しいものではない。そもそも禁じられている食品は、豚肉・ノンハラール屠畜肉・血など、ごく一部のものにすぎない。また、飲酒は禁じられているものの、酒の禁忌の解釈や実践の程度には、地域差や個人差が非常に大きい。ムスリム消費者の求めているものは、厳しい規格をクリアしたハラール認証取得品とは限らない。 イスラームは世界宗教である。ムスリムの住まう環境やその基層的な食文化も多様であり、また多くの宗派・法学派に分かれていて、飲食のハラールに関する解釈や行動も多様性に富む。ムスリム対応にあたってはハラール認証が注目されがちであるが、実際には、認証を取得しなくても、相当数のムスリム消費者に対応することが可能である。特に国内のインバウンドビジネス市場では、むしろ誠実でわかりやすい情報開示によって選択肢を示し、消費者自身に好みの食べ物を選んでもらえる環境づくりが必要である。また、海外のムスリム市場への輸出や進出を目指す場合、ターゲット市場の状況に合わせて、適切な認証団体から認証を取得することが望ましい。費用対効果を考えつつ、自社の商品・サービスには、どのような対応が必要なのかを見極める必要がある。 本セミナーでは、ハラールをめぐる認証制度の概要とともに、認証だけでないハラールやハラール解釈の多様性とはどういうことかを総合的に扱う。配慮不足にも過剰防衛にも陥らず、対象となる市場を定めて、そのニーズに合った商品やサービスを開発すること。誠実で過不足のない情報開示によって、どこまでできるのか対応レベルの限界を明示しつつ、それでもよいと考えるムスリム消費者に選んでもらうこと。そのために何に注意して情報を開示するのか、どのようにコミュニケーションをとればよいのかを考える。
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