本セミナーでは、化粧品に関連する種々の粉体成分の用途・目的などの基礎から解説し、その加工法、使用感の評価手法までを徹底解説いたします。
メイクアップ化粧品の機能は粉体特性を利用することで非常に高くなることが知られている。粉体にはバルク以外に大きさや形の要素があり、また、表面の性質によって化粧品の系での振る舞いが大きく変わる。 あるがままの表面には様々な触媒活性点や吸着サイトおよび官能基があり、表面電荷や濡れなどに大きな影響を及ぼしている。これらの表面を処理することによって触媒活性を封鎖したり新しい機能を与えることができる。 また、親水性・疎水性をコントロールすることによって製剤の分散や乳化など (Pickeringエマルションなど) を設計することができる。 本講演では粉体の大きさ、形などの基礎的な性質を概観した後に主に粉体の表面性質について述べ、表面の処理とその製剤への応用について述べる。
メイクアップ化粧品のブランド価値を左右するもっとも重要な技術要素は粉体原料の加工技術である。肌面の色と光の挙動の制御を用途とするメイクアップ化粧品には、10nmから200μmの範囲で種々の粉体が用いられる。複雑な成分と技術と思われがちな種々の粉体成分の用途と目的を理解し、粉体の加工技術の現状を知ることで、比較的単純な理由で各種配合粉体の最適な形状と大きさが決まることが分かる。 化粧品に配合される各種粉体原料の物性の役割を、使用感の評価法と可視化法を用いて分析すれば、ブランド化粧品の嗜好性や価値を創造するための原料と製品の加工方法に役立つことが理解できる。