基調講演: 医薬品開発等においてわが国に期待される役割と課題
- グローバルな視点から –
(10:30~11:45)
近年、医薬品開発等をめぐる環境は国際的にも急激に変化してきている。その中で、欧米の製薬企業や薬事規制当局は生き残りをかけて変革を試みている。従来から日米欧の3極の1つとして、わが国には世界の新薬開発の一翼を担うことが期待されている。しかし、製薬企業等のグローバル化や新薬開発のパラダイムシフトに伴い、わが国の存在感は年々薄れてきている。そのような中にあって、わが国の進むべき路は何かを考える。
- わが国は、開発・審査において、いかにして国際的な役割を果たすべきか
- わが国を取り巻く医薬品に係る問題点
- わが国の医療を取り巻く環境
- 医療技術の費用対効果評価の必要性
- 医薬品適正使用推進の動き
- 高齢者への薬剤の多剤投薬問題
- ブロックバスター型開発から医療ニーズ対応型への転換はなぜ必要なのか
- 医薬品開発を巡る国際的な動き
- 集団を対象とした開発から、個人、個別疾患を対象とした開発
- Precision Medicineとは
- GCP Renovationは今後の臨床開発にどのような影響を与えるか
- ICH E17ガイドラインは新薬開発・国際共同治験の考え方を根本から変える
- 条件付き早期承認はなぜ重要なのか
- 科学的安全対策はなぜ必要なのか
- 日米欧の承認審査の共通化・統一はなぜ必要なのか
- 新薬開発・審査におけるわが国の選択肢
- メディカルアフェアーズ (MA) とは何か、なぜこれから重要になるのか
- AIやICT,IOTなどの導入により、医療や医薬品開発、臨床試験、市販後安全対策などはどのように変化していくのか
- 質疑応答
セッション1 『ICH “GCP Renovation” とE8 改訂を見据えたQMS実装とクオリティ・バイ・デザイン』
(12:30~14:30)
ICHではGCP Renovationの議論が進められている。その大きな柱はGCPの適用範囲の拡大と、質の管理技術の転換の2つである。後者についてはE6 (R2) で追記されたQMSを更に発展させることになる。GCP Renovationの方向性を見据えた上で準備を始めなければならない。
- GCP Renovationとは?
- ICHのリフォーム
- E8 (R1) とE6 (R3) の関係
- ICHにおけるGCP (E6) の位置づけ
- GCP刷新がもたらす2つの大きな変化
- GCPの適用範囲の拡大 – Clinical TrialsからClinical Studiesへ
- さまざまなデザインのStudyの利用機会
- 新時代のエビデンス創出に対する期待
- 質の管理技術の転換 – 後ろ向きの質確認から前向きな質の作り込みへ
- 品質管理/品質マネジメントの歴史
- Quality by Design
- プロセス管理のサイクル
- 医療機関におけるプロセスへの質の作り込み
- Risk – Based Monitoring、その前に
- 定着しなかったSampling SDVの反省
- プロセス管理が根付いていれば怖いものなし
- GCP Renovation後の最悪のシナリオ
- 今が分かれ道
セッション2 『ICH E17をふまえた国際共同治験の計画及びデザインの留意点』
(14:45~16:30)
従来の国際共同治験 (MRCT) とICH E17をふまえたMRCTとでは何が違うのか?E17ガイドラインで強調している点は,地域の定義と各地域への症例数の配分の事前明記である。その際に,地域や属性別集団の併合戦略がキーとなる。本講座では,どのように併合戦略を考えるべきなのかを中心に説明し,試験デザイン及び解析計画の留意点を述べる予定である。
- Module 1:Overview of training material/Basic principles
- Module 2:Preconsideration of regional variability/subject selection
- Module 3:Selection of doses
- Module 4:Sample size allocation
- Module 5:Pooling strategies
- Module 6:Evaluation of Consistency
- Module 7:Selection of Comparators
- 質疑応答