第1部 リチウム過剰系正極への水系バインダーの適用と長寿命化
(2019年11月18日 10:00〜12:00)
Li過剰系正極材料の基礎と水系バインダーへの適用に関する抑えるべきポイントについて解説いたします。
- Li過剰系正極材料の合成条件と結晶構造の関係
- 焼成条件の検討
- クエンチ条件の検討
- その他
- Li過剰系正極材料の組成電池性能の関係
- 組成と電池容量、サイクル安定性の関係
- 組成とエネルギー密度、平均放電電位の関係
- 水系バインダーの問題点
- 水系バインダーの耐酸化性
- 水系バインダーに適用可能なLi過剰系正極材料の探索
- Li過剰系正極材料の表面コーティングによる耐水性の付与
- まとめ
第2部 水系合材スラリーを使ったリチウムイオン電池の理解
(2019年11月18日 12:45〜14:45)
電池の原理をおさらいし、電極内部や集電体表面におけるバインダーの役割を理解し、実際の電池の設計に役立てること。
- リチウムイオン電池の構造と電極中の電気の流れ方
- 電池の基本とその原理
- 電池から電気が取り出せるということ
- リチウム電池電極内部の電気の流れ
- 活物質、集電体、導電助材、電解液の役割
- 内部抵抗とサイクル特性
- 電極中のバインダーの役割と電池性能
- 材料の電気物性と極性
- 材料の粉体特性と合材の分散・塗布・乾燥
- 溶剤系バインダーと水分散系バインダー
- 材料混合の順序とバインダーの選択と電池性能
- バインダー役割と電池性能
- 正極集電体と合材との接触抵抗とサイクル劣化
- 交流インピーダンス法によるバインダーの評価
- 交流インピーダンス法によるスラリー乾燥過程の導電ネットワーク解析
- 集電体へのバインダー関与と電池性能
- 集電体界面の密着性と内部抵抗
- バインダーや分散剤が内部抵抗やサイクル劣化に及ぼす影響
第3部 水系バインダーを用いた電極特性と次世代電極の開発
(2019年11月18日 15:00〜17:00)
現在、正極ではPVdF系バインダ、負極ではSBR系バインダが広く用いられている。ただ、PVdF系では、耐電圧性に優れるものの、高Ni系材料と混合するとゲル化や不溶化等を起こしやすい。SBR系では、PVdF系と比べて結着性とコスト面で優位であるが、Si系材料の添加量が多いとサイクル劣化が大きいという課題がある。本講演では、各種の水系バインダと次世代電極について紹介したい。
- リチウムイオン電池の市場動向と構成材料、製造工程について
- 次世代正極材料と正極用バインダー
- 水系バインダーを用いたリン酸鉄リチウム正極の開発
- 水系バインダーを用いた高Ni系正極の開発
- 各種バインダーと硫黄系正極の開発
- セルロースナノファイバー複合バインダの開発
- 次世代負極材料と負極用バインダー
- アクリル系バインダーを用いたカーボン複合系負極の開発
- ポリイミド系バインダーを用いたSiO負極の開発
- 無機系バインダーを用いたSi負極の開発
- 今後の展望