本セミナーでは、5Gを支えるキーデバイスの開発事例と大容量・高速通信技術を詳解いたします。
(2019年11月21日 10:00〜12:00)
Multiple Input Multiple Output (MIMO) 伝送技術は、送受に複数のアンテナを有することで、限られた周波数帯域で通信容量を増大する技術として注目されており、今年の秋から試験導入される第5世代移動通信 (5G) システムでは、基地局のアンテナ数をユーザ数よりも多くするMassive MIMOと呼ばれる技術が採用されている。 本講義では、MIMOからMassive MIMOの要素技術と実際について述べる。MIMO、マルチユーザMIMO、Massive MIMOの流れと要素技術、およびチャネル容量をについて解説するとともに、実際の性能限界や実装上の課題、装置の紹介等を行う。
(2019年11月21日 13:00〜14:00)
第5世代 (5G) 移動通信システムには、急増する移動通信のトラフィックを収容するために超高速伝送が要求されている。その実現に向けて、広帯域幅を確保できる28GHzなどの高SHF帯の利用が進められており、同帯域で大きくなる伝搬損失を補償しながら同一周波数同一時間に複数信号を空間多重伝送するMassive MIMO 技術は5Gに有効な手段となる。高SHF帯でMassive MIMOを低回路規模で実現する方式として、アナログビームフォーミングとデジタル信号処理とを融合したハイブリッドビームフォーミングシステムの研究開発が進められている。 本講座では、ハイブリッドビームフォーミングシステムにてアナログビームフォーミングを担うアンテナRFフロントエンドモジュールの開発内容とともに、ハイブリッドビームフォーミングシステムにて実施した高速伝送実験の結果を示す。
(2019年11月21日 14:10〜16:10)
第5世代移動通信システムで標準化が進められているMassive MIMOの具体的な伝送方式から離れて、 基本伝送方式での情報伝送能力 (通信路容量) を探る。Massive MIMOは、MIMOのアレー規模を大きくしたと言う量的な拡張だけではなく、機能的な意味での拡張がある。また、伝送特性評価においても、MIMOの規模を大きくするとその理論的算定が極めて複雑で困難になるが、大規模であることに現われる特徴を捉えた理論 (漸近固有値分布) を適用すると、簡易な評価が可能になる。さらに、Massive MIMOでは、全体のサイズを抑えるためアンテナ間隔を狭くしたい要求があるが、そうすると素子間に相関 (空間相関) が発生する。これがマイナスかプラスかと言う議論もある。これらの点について、平易に、かつ、直感的な理解が得られるような講義をしたい。 本講義では、基本的にpoint-to-point (シングルユーザ通信) リンクでの情報伝送能力を扱うが、最後にpoint-to-multi-point (マルチユーザ通信) への拡張について述べる。
(2019年11月21日 16:20〜17:20)
5Gの周波数割り当てが決まり、今後ローカル5Gを含め5Gの利活用が増えていきます。5G及びMIMOによる超高速モバイルデータ通信を安定提供するには、電波伝搬の検証が重要です。従来使用されてきた電波伝搬の推定式では、5G及びMIMOの検証には不十分です。 本講座では、3次元電波伝搬解析による5G及びMIMO評価について紹介します。