本セミナーでは、表面・界面分析に必須の基礎知識から解説し、表面粗さや汚れなどの影響、接触角の測定方法について詳解いたします。
また、表面の撥水化・親水化を行う基本的な考え方や、ぬれに関係する実際の現象の考察について解説いたします。
ぬれは固体と液体の親和性を表す尺度である。本講座では、まずぬれを考える上で基礎となる表面 (界面) 張力の考え方について、力とエネルギー両面の性質について理解を深める。 液体の表面張力を例にとり、液滴やバブル内の圧力増加の見積もり方や、固体面に置かれた液滴の表面形状、垂直板に付着した液柱 (メニスカス) の形状を求める方法、ならびに液体の表面張力を測定する手法を説明する。 また、表面張力の関係した物理的な諸現象 (ワインの涙、マランゴニ (サーモキャピラリ) 効果、液滴の分裂などを紹介する。
ぬれを考える上で基礎となる、固気、固液、気液各界面張力 (エネルギー) の間の関係を表すヤングーデュプレの方程式と、ぬれやすさの指標となる拡張仕事、付着 (接着) 仕事について説明する。これらの関係から、固体と液体間に観察される接触角の物理的な意味について理解を深める。ついで、実際の表面で生じるぬれ挙動について、表面あらさや汚れなどの影響、また接触角の測定方法について述べる。 さらに応用例として、表面の撥水化、親水化を行う基本的な考え方や、ぬれに関係する実際の現象の考察例を紹介する。講演最後には、実用上のぬれの問題に関する質疑応答を行う。