本セミナーでは、塗布・乾燥・レオロジーについて基礎から解説し、溶液中での粒子の構造形成や、溶液が塗布膜として乾燥する過程への影響等、レオロジーの観点から粒子分散液の成膜プロセスを解説いたします。
粒子分散液の塗布乾燥により様々な薄膜製品が作られ、薄膜内部における粒子の分散・凝集状態の制御が求められています。しかしながら、高密度充填化、成分偏析回避、クラック抑制など様々な要求を同時に達成することには多くの困難が伴います。これらを理解するためには、乾燥に処する粒子分散液の内部構造を理解し、乾燥中における塗布を適切な手法によりモニタリングすることによって内部構造がどのように変化するのか明らかに必要があります。 本講座では、不透明な粒子分散液にも適応可能な粘度や粘弾性などのレオロジーの観点から溶液中で粒子がどのような構造を形成するのか、それが塗布膜として乾燥する過程にどのように影響するのかを概説します。そして、主に「粒子充填化」「表面構造形成」「乾燥応力」に着目して、粒子分散液の内部構造や乾燥条件が薄膜形成過程に与える影響に関して実例を示しながら紹介します。