プラスチック成形における残留応力の発生メカニズムと成形不良対策

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会場 開催

本セミナーでは、プラスチックの粘性・粘弾性・熱粘弾性に起因する残留応力の発生メカニズムとその低減化法について解説いたします。
また、時間-温度換算則を用いた残留応力の解放に伴う変形予測法、強度・変形の長期予測法、加速試験法等の各事象への利用方法について解説いたします。

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プログラム

プラスチックは室温から200℃程度の範囲で、粘弾性という弾性と粘性の両性質を示す複雑な振る舞いをします。特に熱可塑性樹脂は、この温度範囲で液体から固体へと容易に形態変化をします。このような特性から、複雑な3次元形状の成形品も射出成形法等で容易に成形が可能となります。しかしながら、プラスチック成形品には、粘弾性特性に起因する残留応力や流動不良に起因するヒケや寸法不安定性といった成形不良が発生する場合があります。また、近年鋭意検討されている発泡成形においては、発泡剤の振る舞いで成形品表面にスワルマークやレインドロップといった表面性状不良も発生する場合があります。  ここでは、プラスチックの粘性、粘弾性、熱粘弾性に起因する残留応力の発生メカニズム及びその低減化法を説明します。さらに、時間 – 温度換算則の誘導方法とこの換算則を用いた残留応力の解放に伴う変形予測法、強度・変形の長期予測法、加速試験法等の各事象への利用方法について説明します。

  1. プラスチックの最も重要な粘弾性の基礎知識
    1. 粘性・レオロジー特性とは?
    2. 粘弾性特性・熱粘弾性特性とは?
    3. 粘弾性特性・熱粘弾性特性の利用方法
    4. 粘弾性に伴う特異現象 (クリープ挙動、緩和挙動)
  2. 弾性体と粘弾性体の力学の違いを理解するための基礎知識
    1. 弾性体の応力とひずみ
    2. 粘弾性体の応力とひずみ
    3. 弾性体の応力 – ひずみ関係式 (構成方程式)
    4. 粘弾性体の応力 – ひずみ関係式 (構成方程式)
  3. 粘弾性挙動による残留応力の発生メカニズム
    1. 残留応力の発生要因の分類
    2. 冷却過程で生じる残留応力の発生メカニズム
    3. 硬化過程で生じる残留応力の発生メカニズム
    4. ガス保圧 (GCP利用) による残留応力の低減化法
  4. 残留応力の理論的・実験的解析方法
    1. 粘弾性理論を用いた残留応力の基礎式の誘導方法と解析方法
    2. 実験的解析手法
      1. ひずみゲ – ジ法の計測システムと計測方法
      2. 光粘弾性法、X線回折法、他
    3. 残留応力の低減化法
  5. 時間 – 温度換算則とその解釈
    1. 時間 – 温度換算則の基礎概念
    2. 粘弾性挙動のマスタ – 曲線の作成方法
    3. 時間 – 温度移動因子 (アーレニュウス型、WLF型)
  6. 時間 – 温度換算則を用いた各種事象の予測法
    1. マスター曲線を用いたクリ – プ変形の長期予測法
    2. マスター曲線を用いた残留応力開放に伴う変形の長期予測法
    3. マスター曲線を用いたCFRPの変形、強度の経時的変化の予測方法
    4. マスター曲線を用いたプラスチックの諸特性の加速試験方法
    5. 残留応力+溶剤によるストレスクラッキングの対策法

会場

東京流通センター
143-0006 東京都 大田区 平和島6-1-1
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受講料

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