本セミナーでは、プラスチックの粘性・粘弾性・熱粘弾性に起因する残留応力の発生メカニズムとその低減化法について解説いたします。
また、時間-温度換算則を用いた残留応力の解放に伴う変形予測法、強度・変形の長期予測法、加速試験法等の各事象への利用方法について解説いたします。
プラスチックは室温から200℃程度の範囲で、粘弾性という弾性と粘性の両性質を示す複雑な振る舞いをします。特に熱可塑性樹脂は、この温度範囲で液体から固体へと容易に形態変化をします。このような特性から、複雑な3次元形状の成形品も射出成形法等で容易に成形が可能となります。しかしながら、プラスチック成形品には、粘弾性特性に起因する残留応力や流動不良に起因するヒケや寸法不安定性といった成形不良が発生する場合があります。また、近年鋭意検討されている発泡成形においては、発泡剤の振る舞いで成形品表面にスワルマークやレインドロップといった表面性状不良も発生する場合があります。 ここでは、プラスチックの粘性、粘弾性、熱粘弾性に起因する残留応力の発生メカニズム及びその低減化法を説明します。さらに、時間 – 温度換算則の誘導方法とこの換算則を用いた残留応力の解放に伴う変形予測法、強度・変形の長期予測法、加速試験法等の各事象への利用方法について説明します。