工場、自動車、工業機械などが使用している熱エネルギーの内、大部分は排熱として未利用のまま捨てられている。これらの捨てている熱を「熱音響機関」を用いて回収し、電気や冷却・加熱に再利用するために研究を行っている。熱音響機関は、これまでのエンジンには無い以下の特徴を有している。
- ピストン等の可動部品ないため、基本的にメンテナンスフリー。
- 産業排熱、自動車排熱、太陽光エネルギー等多様な熱源を利用した高効率な冷却・発電システムを実現できる可能性がある。
- 本質的に高いエネルギー変換効率を有している。
- 音波を用いたノンフロン冷凍を実現可能。
- とても安価な廃熱回生装置の可能性。
本講演では、熱音響理論を用いた熱音響機関の理解を目指すと同時に、最新の研究成果を紹介する。
- 熱音響機関の概要
- 熱音響現象の基礎
- 熱音響機関の構造
- 管内音波のエントロピー振動
- 進行波型 定在波型
- 仕事流 熱流
- 基礎方程式
- Two – sensor法
- 様々な熱音響機関
- 進行波型熱音響機関
- 進行波型熱音響冷凍機・ヒーター
- 進行波型熱音響発電
- 進行波型熱音響機関の多段化
- 簡単な進行波型熱音響機関の試作
- 熱音響デバイスの設計
- 数値計算
- エントロピー流、エントロピー生成
- 蓄熱器の熱効率
- 熱音響機関の性能評価
- 熱音響機関の部品的な課題
- 蓄熱器
- 熱交換器
- 発電機
- アセンブリ対象
- まとめ