信頼性の高い非臨床試験では、適切な試験計画と試験の実施並びに適切な検査・解析の成績に基づき、科学的に適切な評価が期待される。また、試験記録及び成績における網羅性・正確性・完全性 (保存性) の品質検証 (QC/QA) は信頼性に高く寄与します。延いては、承認申請の資料として照会事項の最小化につながるでしょう。
此処では、全般的な非臨床試験やガイドラインに加えて、信頼性を高めるために試験の実施記録と報告書のQC/QAに焦点をあて、効率的な生データ・実験ノートの取り扱いとQC/QA業務のポイント解説を行います。検証には、試験実施施設の組織と個々人の高い練度が大切な要因ですが、コンピュータ化が進み従来の経験による作業と比べて遙かに信頼性が向上して参りました。ただ、生物系の試験では、試験系の均一性、試験時期、方法や期間、試験施設の環境等による影響や複雑な操作と手技によるヒューマン (コミュニケーション) エラー (勘違い、間違い等) のリスクも依然として残ります。
受託研究機関による非臨床試験の委託が一般的となり、GLP試験に直接携わる機会の少ない検証業務の方、非臨床安全性試験の標準化によるスキルの向上と信頼性の確保を望まれる試験従事者の方にも、信頼性を高めるポイントを押さえた説明に努めますので、多くのご参加をお待ちしております。
- はじめに
- 信頼性に係わるポイント
- 試験計画・実施・記録・解析・報告書作成
- 生データ・実験ノートの取扱い
- 検証業務における人的な勘違い/間違い
- コンピュータ化と検証
- ICH 等のガイドラインと信頼性
- GLPと信頼性
- 信頼性の調査
- 自己点検・社内調査 (QC) と信頼性保証 (QA)
- 規制当局による適合性調査 (信頼性)
- 試験実施と生データ・実験ノートの信頼性
- 試験計画書と標準操作手順書 (SOP) の役割
- 試験計画書やSOP の逸脱
- 試験記録 (生データ) の最終化/修正 (再測定)
- 試験責任と施設の組織との役割分担
- 試験報告書と信頼性確保のポイント
- ICH CTDへの取組み
- 試験計画書・逸脱と報告書の作成
- 単独試験と複数場所試験の役割分担
- 試験報告書と承認申請書
- 試験記録と調査 (QC/QA)
- 試験の委託と複数場所試験
- GLP と非GLP の調査
- QC とQA 実施のポイント
- 試験実施と予期せぬ事態
- GLP 試験と適合性調査
- 資料の管理と保管/期間
- 適合性書面調査と結果
- 適合性調査のポイント
- 結果と対応
- 質疑応答 (Q&A)
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