本セミナーでは、次世代の薬物送達ツールとして大きく期待されているエクソソームをとりあげ、遺伝子工学・ペプチド化学を基盤としたエクソソーム薬物送達技術を中心に解説いたします。
エクソソーム (exosomes, extracellular vesicles, EV) は、細胞膜で構成された小胞 (直径30~200 nm) であり、生体の殆ど全ての細胞が分泌します。その内部にはmicroRNAや酵素等の生理活性分子が内包されており、分泌されたエクソソームは、周辺の細胞に取り込まれることで細胞間における情報伝達を担っています。またエクソソームは、薬学的な観点からも (i) 免疫制御が可能、 (ii) 機能性人工分子の内包が可能、 (iii) 細胞間コミュニケーション経路の利用、 (iv) 無限分泌、 (v) 遺伝子工学の活用等の高い優位性を有し、次世代の薬物送達ツールとして大きく期待されています。 本セミナーでは、エクソソームを用いた薬物送達技術を主題とし、エクソソームの基礎、細胞内移行機序、エクソソームに使える化学修飾法、遺伝子工学・ペプチド化学を基盤としたエクソソーム薬物送達技術を中心に解説致します。
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