マイクロ接合技術は、エレクトロニクス実装の重要な基盤技術の一つであり、接合には樹脂系材料を用いる場合と金属系材料を用いる場合があります。
実際の実装プロセスでは、これらが混在する場合もありますが、これらの技術はそれぞれ別の分野として分類されることが多く、接合技術の包括的な理解の妨げとなっていると感じています。
そこで、本講演では、樹脂系材料および金属系材料を用いた接合技術を同一の理論体系として整理し、接合強度や電気および熱輸送特性の発現原理や信頼性を決定する要因について考えてみたいと思います。
- 接合プロセスの基礎
- 接合材料の種類とそれらの特徴
- 鉛フリーはんだ
- 金属ナノ粒子およびミクロ粒子ペースト
- 樹脂結合型導電性接着剤
- 無機結合型導電性接着剤
- 接合プロセスの学術的基礎 (1)
~接合材料の熱力学的挙動~
- 融解転移の熱力学
- ナノ粒子の融解転移と焼結現象
- 焼結の進行に及ぼす諸因子
- 非平衡状態の形成
~ガラス転移現象~
- 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂
- 接合プロセスの学術的基礎 (2)
~界面相互作用の物理化学~
- ぬれの熱力学
- 統一的解釈のための界面相互作用の熱力学
- 界面自由エネルギーと相互作用パラメータおよびSP値の考え方
- 異種材料間の接合を考えるための化学結合論の統一的な理解
- 化学結合の分類
- 金属における化学結合論
- 水素結合の量子化学的理解
- 界面相互作用の量子化学的理解
- 金属/金属界面での界面現象
~界面反応層の形成~
- 拡散
- 反応層成長の速度論
- 金属間化合物の形成
- 金属間化合物の性質
~結晶構造および状態図上の特徴と化学結合論~
- ボイド形成
- 金属/樹脂界面での界面現象
~分子間相互作用の発現~
- 表面自由エネルギーとSP値の成分分け
- 酸-塩基相互作用の考え方
- カップリング剤の作用機構
- 金属/樹脂界面で拡散現象は発現しないのか?
~金属のクラスター拡散と界面ナノ構造の形成~
- その他の界面因子
- アンカー効果
- 導電性接続を行うための接合材料
- 金属の導電性発現メカニズム
- 絶縁樹脂あるいは無機バインダ中での導電性発現
- パーコレーション理論と界面コンタクトモデル
- 種々の因子による導電性接着剤の電気伝導特性の変動
~導電性接着剤の電気伝導特性は物性値ではない!~
- 導電性接着剤の電気伝導特性はいつ発現するのか?
~バインダの硬化と導電性発現の関係~
- 導電性接着剤の電気伝導特性の熱履歴依存性
- 樹脂バインダ中での金属フィラーの焼結現象
- 種々のストレス因子による界面現象と接続信頼性
- 金属/金属接合界面における界面現象
- 導電性接着剤/金属接合界面における界面現象
- Thermal Interface Materialとしての接合材料
- 金属材料と樹脂材料の熱伝導特性
- 熱伝導率における伝導電子の寄与
- 熱伝導率におけるフォノンの寄与
- 金属材料の熱伝導率
- 樹脂材料の熱伝導率
- 金属材料の熱伝導率の改善
- 電気伝導特性の改善
- 高フォノン伝導パスの導入
~高熱伝導性金属基複合材料の開発~
- 樹脂材料の熱伝導率の改善
- パーコレーション理論と有効媒質理論
- フォノン伝導に基づく界面熱コンダクタンスの理論モデル
- 導電性接着剤の熱伝導率の熱履歴依存性
- 導電性接着剤の熱伝導率における伝導電子の寄与
- 電気伝導特性に基づく熱伝導性接着剤の分類
- まとめ