高分子材料に要求される性能が高度化する中、高分子材料物性制御の手段としてアロイ化の重要性はますます高まっている。ポリマーアロイの物性は、相界面や相分離ドメインの形態等、広い意味での相分離構造に依存するため、構造と物性の関係を把握した上で、構造制御の方法、そして物性の制御という考え方で、材料を設計する必要がある。
本講演では、ポリマーアロイの基礎的な概念から、応用までを、具体例を挙げながらわかりやすく解説する。
- ポリマーアロイの基礎
- ポリマーアロイの定義
- ポリマーアロイの分類
- 相溶性と相容性 (混和性)
- ポリマーアロイ材料発展の歴史
- 相溶 – 非相溶の熱力学
- Flory.Huggins理論を簡単に理解する
- 混合自由エネルギーと相図の関係
- 相互作用パラメーターと溶解度パラメーターの違いは?
- Flory.Huggins理論の問題点
- 様々なポリマーブレンド系の相挙動
- 溶解度パラメーターと相互作用パラメーターの求め方
- ポリマーブレンドの界面と相互作用パラメータ -
- ランダム共重合体の相溶性
- ポリマーアロイ・ブレンドの構造
- 相分離の動力学
- ポリマーアロイの界面厚・界面張力
- 流動場による構造制御
- 三相共存系の構造制御
- ブロック共重合体
- ブロック共重合体のミクロ相分離
- ブロック共重合体の構造解析
- 相容化剤 (Compatibilizer)
- 混練による構造制御とリアクティブブレンディング
- ポリマーアロイ・ブレンドの物性
- 相溶系の物性
- 相分離系の物性
- 耐衝撃性の基礎
- 相構造と耐衝撃性 (フィラー添加系を含む)
- 相分離界面の構造と物性
- まとめ