ICH-Q8製剤開発ではQbD、デザインスペースという考え方が導入された。そこには、適正な品質を有する製品を設計すること、意図した機能を有する製品を一貫して供給できる製造工程を設計することとあり、科学的手法と品質リスクマネジメントに基づく体系的開発手法の適用が強く求められている。
原材料の性質などの入力変数と工程パラメターの多次元的な組み合わせの相互作用を主な関係関数とし、製剤の品質に及ぼし得る影響の程度を評価、特定し、その妥当性も求められている。
当講座では、医薬品製造の実際から、品質に影響を及ぼす重要な工程の知見や製造プロセスでは避けられない粉体の特性や粉体のハンドリング技術を紹介し、医薬品製造科学のフレームを解説する。従来の医薬品製造体系にはQbDアプローチに有用な、基礎的かつ興味深いデータ、工業技術的な資料、粉体ハンドリングの知識が集積されている。その一端を紹介し、解説する。
- 医薬品製造に関する今日的環境
- 米国FDAの21th Century Initiatives
- ICHの流れ
- 厚生労働省PMDAのスタンス
- ICH Qトリオ
- Quality by Design Implementation
- Design Space
- Science based/Risk based Approach
- “Enhanced”QbDの実例
- プレフォーミュレーション/フォーミュレーション
- 試作
- ラボバッチ
- バイオバッチ
- 工業化検討
- スケールアップ・ダウン
- バリデーション
- New US-FDA Process Validation Guidance (2011)
- 変動を吸収する工程のmodification/Justification
- 粉体の特性
- 粉体の粒度/確率・統計的特性
- 粒子径と物性
- 結晶多形/疑似結晶多形性
- 圧力伝達/ヤンセンの法則
- 圧縮成形
- 偏析/偏流
- 固形製剤製造法
- Robustnessの考え方と工程
- 重要工程の考え方
- 変動要因の考え方
- 解砕/分級/整粒工程の意味
- 造粒工程/造粒度
- 工程中間品の物理化学的特性/メカノケミカル特性
- 滑沢剤/滑沢度
- 圧縮成形性/打錠/カプセル充填
- Tooling
- 粉粒体搬送工程
- 品質管理項目
- 混合均一性/含量均一性に影響を及ぼす要因
- 溶出性/溶出プロファイルに影響を及ぼす要因
- Life cycle management
- Routine operation in production
- Sustainability
- Continuous improvement