適切な知財コストの考え方と保有特許の権利維持、放棄の決め方

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プログラム

第1部. 特許の棚卸しによる維持、放棄基準の決め方

(2019年11月11日 10:00〜11:30)

 今日の企業において“経営に資する知財”“事業貢献できる知財”がますます求められる状況下、保有特許の棚卸しを通じてその資産価値・コスト効率の向上を図ることは知財戦略の一翼を担う重要な活動といえます。特許の維持・放棄の判断にあたっても必要十分な情報を基にして個別的配慮と全体最適視点を併せた総合的な検討が必要となり、単なる管理業務の枠を越えたポートフォリオの質を高めるための積極的な取り組みが望まれます。グローバル対応の観点もふまえた、あるべき知財活動としての「特許の棚卸し」について考えてみたいと思います。

  1. はじめに
  2. 棚卸しによる資産価値の向上
    • 価値評価に必要な情報
    • 特許網としての検討
    • タイミングの考慮
    • 他の知財活動とのバランス
  3. 棚卸しによるコスト効率の向上
    • 誰が負担すべきか
    • 誰が判断すべきか
    • 判断バイアスをどう修正するか
  4. 休眠特許の「活用」について
  5. 棚卸しを通じた知財教育

第2部. 知財コストの考え方と適切な保有権利件数

(2019年11月11日 12:15〜13:45)

 グローバル化、ボーダーレス化が進み、現状ビジネスの見直し、事業変革、新規事業の創生が問われている。このような環境下では、知財戦略も新規事業、事業変革に向けた提案、リスク判断等、今まで以上に事業と一体化した提案、施策立案が求められている。知財コスト、保有権利数も、それぞれの事業モデルに応じた設定が必要である。  事業の差別化、競争力の確保には知財の活用が必須であるが、それぞれの事業環境下で、知財コスト、保有権利はどうあるべきか、事業貢献に向けた考え方を説明する。

  1. ビジネス環境の変化に応じた戦略策定
    • 知財戦略構築のステップ
    • 知財権ミックスによる製品の差別化
    • 知財部門の役割とコストの考え方
  2. ビジネスモデルに応じた戦略の構築
    • イノベーションの創出手法とその人財
    • ノウハウの囲い込みと保護の重要性
    • 事業を意識したアイデア発掘と必要な保有権利数
  3. 知財活用とコスト
    • 知財権の活用バランスと事業モデルに応じた権利活用
    • 権利活用による知財価値の見える化とコストバランス
  4. リスクに向けたコストと保有権利
    • 知財領域の拡大とリスクの増大
    • リスク最小化にむけた情報の収集と解析

第3部. キヤノンの知財戦略の特徴と、それを支える特許ポートフォリオの維持/更新/コストに関する考え方

(2019年11月11日 14:00〜15:30)

 様々な分野の成熟事業と新規事業を併せ持ち、営業秘密 (ノウハウ) で守るべきコアコンピタンスも多く存在するキヤノングループにおいて、適切な特許ポートフォリオ、各特許の価値、事業毎の知財戦略、グループ全体を俯瞰した知財戦略を推進するための仕組み等は、時々刻々と変化している。  今回の講演では、キヤノンの知財戦略の特徴と変化を述べたうえで、特許ポートフォリオ維持/更新/コストに関する基本的な考え方と最近の変化等について説明する。

  1. キヤノングループの事業活動
    • キヤノングループの概要
    • キヤノングループの事業の変遷
    • 製品群と売上
  2. キヤノングループの知財戦略の特徴
    • グループ会社の統括
    • 訴訟、ライセンス戦略
    • 必要な特許ポートフォリオの変化
  3. キヤノンにおける特許ポートフォリオ管理
    • 営業秘密と特許
    • 権利維持、放棄を決める仕組み
    • 出願戦略と特許ポートフォリオ
    • 知財発信型特許推進
  4. 将来への展望と課題

第4部. 特許棚卸しによる特許評価とポートフォリオ管理の考え方

(2019年11月11日 15:45〜17:15)

  1. 企業における知的財産権の役割
  2. 知的財産権の事業への貢献
    • 経済的
    • 事業優位形成
  3. 知的財産権の経済的価値評価方法
    • 財務会計上の取り扱い
    • 定量的評価手法
  4. 知財ポートフォリオ管理の必要性
  5. 知財ポートフォリオ管理手法としての棚卸
  6. 特許棚卸
    • 体制
    • 評価
    • ポートフォリオ組み換え
  7. 権利化中断、権利放棄
    • 中断
    • 放棄
    • 権利の開放

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