自動車用制振・防音材料の開発、適用技術と車室内騒音の低減

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本セミナーでは、「車体の軽量化」と「静粛性の向上」を両立する振動・騒音対策技術、自動車メーカーが車室内の静粛性の目標をどのように決めているのか、静粛性の定量的な評価について解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 自動車の車内騒音発生メカニズムと遮音・吸音材料の適用

(2019年11月8日 10:00〜11:30)

 遮音・吸音の基礎をわかりやすく紹介し、その事例として、エンジンで発生した音がエンジンルーム内で音響増幅、さらに一重壁パネル、内装材を透過し、車室内に侵入するメカニズムと対策について解説します。さらに、車室内に侵入した音の拡散を吸音シートにより防止し、車内騒音低減に成功した事例を紹介します。

  1. 遮音・吸音基礎理論
    1. 自動車の性能評価
    2. 制振の概要、
    3. 吸音・遮音の概要
    4. 遮音理論の基礎、吸音理論の基礎をわかりやすく紹介
  2. 音響増幅防止による車内音改善
    1. エンジンルーム内の音響増幅と車内音
    2. 共鳴型サイレンサーの開発事例
  3. 一重壁パネルの遮音性改善
    1. ステフネス、質量則、コインシデンスと透過損失
    2. エンジンカバーの遮音性改善事例
  4. 内装材の遮音性改善
    1. カーペット、フェルトなどの振動伝達比と車内音低減効果
    2. 共振型カーペット (遮音材) の開発事例
  5. 吸音対策
    1. 室定数と車内音低減効果、室定数測定方法
    2. 吸音シート、吸音天井の開発事例

第2部 熱可塑性ポリオレフィンを用いた制振材料の開発

(2019年11月8日 11:40〜12:50)

 近年の自動車業界では,「車体の軽量化」と「静粛性の向上」の両立が強く求められており、重量を最小限に留めた防音対策、遮音・吸音・制振・防振が必要となる。本セミナーでは、熱可塑性ポリオレフィンを用いた制振材料の開発について紹介する。

  1. エラストマーによる振動制御
    1. 防振と制振
    2. エラストマーの動的粘弾性
  2. 制振材料の基本的な考え方
    1. 2層構造:非拘束型制振材料
    2. 3層構造:拘束型制振材料
  3. 熱可塑性ポリオレフィン アブソートマー
    1. アブソートマーとは?
    2. アブソートマーとEPDMによる粘弾性制御
    3. アブソートマーを適用した制振材料の音・振動特性
  4. まとめ

第3部 制振性スチレン系エラストマーの開発と自動車への応用

(2019年11月8日 13:30〜14:40)

 近年、燃費向上を目的に自動車の軽量化が進められた結果、車外やエンジンからの振動・騒音が大きくなり、車内環境の悪化をもたらしている。この対策として注目されているのが、重量を大きく増すことなく効果的に振動・騒音を低減する制振材料である。これまで、室温や低温領域で制振性を発現できる材料は広く用いられているが、室温より高い温度領域で高い制振性を発現する材料の例は少ない。本講演で紹介する開発品は、従来困難であった高温条件での高い制振性を達成できる解決策となると期待できる。

  1. スチレン系エラストマーとは
  2. ハイブラー ® の特性
    1. PPとの相容性
    2. 制振性
  3. 高温領域で制振性を発現する開発品
    1. 開発品の粘弾性
    2. 制振性改質剤としての特性
  4. 自動車への応用と今後の課題

第4部 ノイズキャンセリング機能を有する防音材料の開発

(2019年11月8日 14:50〜16:00)

 一般的な自動車用防音材料の音響性能を紹介し、目標とすべき音響透過損失と吸音率を解説する。このことを踏まえ、必要な遮音性能を確保しつつ、実車において軽量化、及び車室内騒音の低減を実現できた防音構造を紹介する。更に、この防音構造について伝達マトリクス法により理論的な考察を加え、その音響的メカニズムを解説する。

  1. 自動車用防音材料に必要な音響性能
    1. 音響透過損失
    2. 吸音率
  2. 新防音構造
    1. ノイズキャンセリング機能を有する防音構造
    2. 遮音性能の確認
    3. 実車による性能確認
  3. 伝達マトリクス法による理論的考察
    1. 周波数応答
    2. 体積速度

第5部 mazda SKYACTIV-Xの音性能のモデルベース開発

(2019年11月8日 16:10〜17:20)

 世界初の圧縮自着火エンジンの大きな課題であった高い燃焼圧によるエンジンノック音を車室では聞こえないレベルに仕上げた最新の解析技術/実験技術と、それによって具体化した日本初のエンジンカプセル技術を紹介します。

  1. mazda3に搭載する新型エンジンSKYACYIV – Xの技術概要
    1. SPCCI (点火制御圧縮着火) 燃焼の実現
    2. SPCCI燃焼の音課題
  2. 車室音目標
    1. 走行騒音、エンジン騒音、ノック音の関係
    2. ノック音の定量目標
  3. 車室音のASQ (Acoustic Sores Quantification) モデル
    1. 固体伝搬と空気伝搬
  4. 機能配分
    1. 燃焼起振力、エンジン本体、車両の機能配分
  5. ノック音の改善
    1. エンジン本体の振動伝達特性改善
    2. エンジンマウントブラケットの振動伝達特性の改善
    3. エンジン放射音の改善 (カプセル構造)
  6. まとめ

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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