(2019年11月6日 10:00〜11:30)
一般的に、窓ガラスと空調負荷の関係については、いろいろと誤解されている点があると思われます。例えば、基本的な窓ガラスの省エネルギー性能は断熱性と遮熱性で決まりますが、この断熱と遮熱という概念が混同して使われていたり、間違って受け取られていることがよくあります。 本講座では、自動車用の窓ガラスと空調負荷の関係について、実際には、これが何によって決まるかを詳しく説明すると共に、空調負荷を下げるためには、窓にどのような性能が要求されるか、また、現状でどのような技術があるかについて解説します。 また、燃費及び快適性向上に大きな効果が期待される新しい調光材料として「調光ミラーシート」を詳しく紹介します。
(2019年11月6日 11:40〜13:10)
(2019年11月6日 13:50〜15:20)
透明遮熱フィルムは既存の窓に貼り付けることで空調効率を向上させることができ、建築物や乗り物等の省エネ製品として普及が進んでいます。しかし、耐久性に乏しく、金属層が劣化しやすい、使用場所が限定されるといった課題があります。 ダイヤモンドライクカーボン (DLC) は、ガスバリア性や耐腐食性、耐摩耗性などに優れたコーティング膜です。近年ではその優れた表面保護性能を活かし、赤外線フィルムや赤外用レンズ等の赤外領域の光学膜としての応用が期待されています。 本講演では、プラズマ支援CVD法を用いたDLC膜の作製法の概要及び製膜条件による光学定数の作り分けから、可視光透過性が高く赤外線反射率の高いフィルムの実現へ向けて、DLC膜を用いた積層構造の設計と試作について紹介いたします。
(2019年11月6日 15:30〜17:00)
省エネルギー社会に向けて、ZEV・ZEBの推進及びサーマルマネージメントを支える熱線遮断技術は重要な社会的課題の一つである。 特に、自動車・車輛等のウインドウ応用において、エネルギー消費を抑えて高効率な空調制御を行うために可視透明な反射遮熱技術の開発が要求されている。 更に、近年の情報技術の発達は、マイクロ波帯域の電波透過性も併せて遮熱フィルムには必要とされ、可視からマイクロ波帯域までの幅広い光・電磁波制御が要求される。 本講演では、ワイドギャップ酸化物半導体ナノ粒子の表面・界面におけるプラズモン励起の電子・構造制御に基づいて、可視・電波透過性を持つ透明反射遮熱断熱フィルムに向けた取り組みを紹介する。